旅行客で混み合う仁川空港(資料写真)=(聯合ニュース)
旅行客で混み合う仁川空港(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】海外旅行客の増加に伴い、韓国国民の海外での支出額が過去最高を記録した。

 韓国銀行(中央銀行)の経済統計システムによると、昨年の国際収支のうち、韓国人が海外で支出した金額を示す「旅行支払い」は319億7000万ドル(約3兆5359億円)で、これまでの最高だった前年2017年を上回った。

 旅行支払いは2009年の150億ドルから12年に200億ドルを超え、15年に250億ドルを突破した。17年は前年比16.3%増の316億9000万ドルだった。

 昨年の旅行支払いの増加率は0.9%で、リーマン・ショックの影響を受けた2009年以降で最も低かった。出国者数が同8.3%増加したが、海外旅行や留学・研修などによる支出額はほとんど増えなかった。

 出国者1人当たりの支出額は1114ドルで、前年(1196ドル)より減少した。減少の背景として海外旅行文化の変化が挙げられる。長い時間がかかる欧州、米国などへの遠距離の旅行から近距離方面へ頻繁に旅行に出掛けるパターンに変わった。格安航空会社(LCC)の近距離路線拡大が影響を与えたとみられる。

 また、インターネット上で料金を比較し、宿泊先などを安く利用する人が増えたことも一因となった。

 昨年は訪韓外国人客から得た旅行収入の増加幅が旅行支払いの増加幅を上回った。旅行収入は153億2000万ドルで前年比14.6%増加した。増加率は入国者数の増加率(15.1%)とほぼ同じだ。

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備に反発する中国の限韓令(韓流制限令)が解除される兆しが見え始め、中国人入国者数が14.9%増加した。

 また、北朝鮮関連の地政学的リスクが緩和されたことで日本人入国者数は27.6%増加した。

 昨年の旅行収支は166億5000万ドルの赤字で、赤字幅は前年(183億2000万ドル)よりやや縮小した。


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