チョ・ソンギル氏(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
チョ・ソンギル氏(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
【ローマ聯合ニュース】昨年11月に北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア大使代理(当時)が姿を消した後、チョ氏の未成年の娘が北朝鮮に送還されていたことが20日(現地時間)、イタリア外務省の声明で分かった。

 外務省は声明で、「北朝鮮側は昨年12月5日、チョ前大使代理と妻が11月10日に大使館を去り、娘は同月14日に北朝鮮に戻ったと、通知してきた」と伝えた。チョ氏の娘が祖父母と一緒にいたい、北朝鮮に戻りたいと希望したため、大使館の女性職員が同行して北朝鮮に戻ったとの説明だったという。

 外務省はあわせて、北朝鮮から11月20日に、駐イタリア大使代理がキム・チョン氏に交代されるという通知があったことも明らかにした。

 この発表に先立ち、2016年に韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は20日(日本時間)、北朝鮮のイタリア大使館は昨年11月にチョ氏の動向の異変を察知するとすぐに、高校生とされるチョ氏の娘に外交官をつけてイタリアから平壌に戻したと伝えている。

 チョ氏の娘が本人の意思に反し強制的に連れ戻されたと多数のメディアが報じたことから、イタリアでは政治家や人権保護団体を中心に懸念と批判の声が相次いでいる。同国のディステファノ外務次官はフェイスブックに「事実と判明すれば、前例のない、深刻なこと」と書き込み、関係者が責任を負わなければならないと警告した。

 チョ氏は任期を終える直前だった昨年11月、妻と共に大使館から姿を消し、そのまま行方が分からなくなっている。イタリアの保護を受けながら西側への亡命を模索しているか、すでに西側の国に亡命したという見方がある。 


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