2016年2月、平壌で記者会見を開いたワームビア氏=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)
2016年2月、平壌で記者会見を開いたワームビア氏=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】米連邦地裁が北朝鮮に対し、同地に約1年半拘束され昏睡(こんすい)状態で解放された後に亡くなった米国人大学生、オットー・ワームビア氏の遺族に5億113万ドル(約548億円)の賠償を支払うよう命じる判決文を送ったことが分かった。米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が18日、報じた。 米ワシントンの連邦地裁は判決から3週間後の16日(現地時間)、平壌の北朝鮮外務省に国際便で判決文を送付した。受取人は李容浩(リ・ヨンホ)外相で、到着予定日は今月30日だ。 ワームビア氏は2016年1月、観光目的で訪れた平壌のホテルで政治的スローガンが書かれた物を持ち去ろうとしたとして拘束され、同年3月に国家転覆陰謀罪で15年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡された。17カ月にわたる拘束の末、17年6月に昏睡状態で解放され米国に帰国したが、同月死亡した。 ワームビア氏の遺族は昨年10月、北朝鮮政府に対し11億ドルの損害賠償を求めて訴訟を起こし、米連邦地裁は先月24日(現地時間)、5億113万ドルの賠償を命じる判決を言い渡した。 だが、地裁の判決文を北朝鮮が受け取ったとしても、北朝鮮が賠償金を支払う可能性は高くないとみられる。 米連邦裁判所は16年、北朝鮮の刑務所で死亡したとされる金東植(キム・ドンシク)牧師について、3億3000万ドルを賠償するよう命じる判決文を北朝鮮外務省と米ニューヨークの国連北朝鮮代表部、ロンドンと北京の北朝鮮大使館に送ったが、返送された例がある。
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