昨年11月に行われた水素で走る燃料電池バスの試乗会=(聯合ニュース)
昨年11月に行われた水素で走る燃料電池バスの試乗会=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は17日、南東部の蔚山市庁で、水素で走る燃料電池車(FCV)と燃料電池の生産計画などを盛り込んだ「水素経済活性化ロードマップ(行程表)」を発表した。発表の場には文在寅(ムン・ジェイン)大統領も立ち会った。

 ロードマップは政府が昨年8月、水素経済を人工知能(AI)、ビッグデータと並ぶ3大戦略投資分野に選定したことを受け、専門家100人余りから意見を聞き取り、研究・分析を経てまとめたもの。水素の生産・貯蔵・運送・活用の全分野を網羅した内容となっている。

 それによると、乗用車のFCVの国内普及に向け、6年後の2025年までに年間10万台の量産体制を整える計画だ。年産10万台水準になれば、現在の約半値の3000万ウォン(約290万円)台でFCVを供給できる。

 3年後の22年までにFCVを8万1000台生産し、主要部品の国産化率100パーセントを実現すれば、最終目標年度の40年までに累計620万台(国内向け290万台、輸出330万台)の生産も難しくないと見込んでいる。現在の累計生産台数は2000台に満たない。

 鄭升一(チョン・スンイル)産業通商資源部次官は、FCVを30年までに中国が100万台、日本は80万台の普及を目指していることなどを挙げ、「ロードマップ上の目標や開発・量産計画は全く無理な計画ではない」と説明した。

 水素で走る燃料電池バスについては、今年は主要7都市に35台を普及させ、22年までに2000台、40年までに4万台に増やす計画だ。

 FCVに水素を供給する水素ステーションは現在14基しかないが、40年までに全国で1200基の設置を目指す。これに向け、設置や運営への補助金支給を検討する。

 政府はあわせて、二酸化炭素が排出されない発電用燃料電池の生産を40年までに国内向けと輸出分を含め15ギガワット(GW)規模に引き上げる計画も掲げた。

 政府は、水素経済は文在寅政権が目指す革新成長の原動力になると見込んでいる。ロードマップを順調に進められれば、40年には年間43兆ウォンの付加価値と42万人の新規雇用を生み出せると期待している。


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