文在寅政権が朝鮮戦争の終戦宣言を非核化の初期措置とともに推進する方針を示した(コラージュ)=(聯合ニュース)
文在寅政権が朝鮮戦争の終戦宣言を非核化の初期措置とともに推進する方針を示した(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は朝鮮戦争の終戦宣言は非核化の初期段階に、休戦協定の平和協定への転換は非核化の最終段階で推進する方針を固めた。 韓国政府はこれまで平和協定への転換は非核化の完成段階で推進するとの立場を示し、終戦宣言については年内に行う方針だけを示し、非核化とのリンクについてははっきりと示していなかったが、米国の立場などを踏まえてロードマップ(行程表)を細かく調整したものとみられる。 20日に公開された「文在寅政権の国家安保戦略」指針書によると、韓国政府は北朝鮮の非核化の初期措置とともに終戦宣言を推進し、非核化が完全に終わった段階で平和協定の締結を推進する方針を決めた。 これまで政府の終戦宣言に対する立場は、4月の南北首脳会談後に発表された板門店宣言に盛り込まれた通り、年内に南北や米国など関連国の合意によって推進するというものだった。 板門店宣言には「南と北は休戦協定締結から65年となる今年中に終戦を宣言。休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で堅固な平和体制の構築に向けた南北米の3者または南北米中の4者会談開催を積極的に推進していく」との内容が盛り込まれている。 青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は先月26日の会見で、終戦宣言を年内に実現する可能性について、「わが政府だけでもなく、南北の決定だけでできることでもなく、南北米の3者がみな合意しなければならないことで、(年内実施という)最終目標のために、変わらず議論中」と話した。 当時は終戦宣言について、非核化の初期措置とともにという条件付きではなかった。 むしろ北朝鮮の非核化措置以前であっても政治的な宣言である終戦宣言を通じ、非核化を進めることができるとの趣旨で説明してきた。 趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は先月16日に米ワシントンで行われた特派員懇談会で終戦宣言と関連し、「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)がさらに進展した非核化措置を取るよう推進する立場としても終戦宣言は必要だ」と話した。非核化交渉の出発点に終戦宣言を置く、いわゆる「入り口論」が政府の立場とされていた。 政府が終戦宣言を非核化の初期措置とともに推進するとしたのは、当初計画した、「年内終戦宣言締結」が事実上失敗に終わった点が反映されたためとみられる。 また米国が終戦宣言を北朝鮮の非核化措置とリンクさせている現実も考慮したとみられる。韓国政府が終戦宣言について「法的効果がない象徴的措置」と数回にわたり表明したが、米当局者の間では対北朝鮮軍事オプションを制限し、朝鮮半島の安全保障情勢を変える可能性のある事実上の不可逆的な措置とみなす向きが予想よりも強かったとされる。 これに加え中国が終戦宣言の段階から交渉に加わる意思を示したことで、終戦宣言を取り巻く状況が複雑化した。結局政府は非核化の進展という重要な「状況の変化」が実現しなければ終戦宣言に対する米国の慎重論を和らげることはできないと判断したものとみられる。 ただ非核化の初期措置の後ではなく、「措置とともに」としたことで、解釈の余地を残したとの評価も出ている。非核化の初期措置が具体的に示されておらず、政府が柔軟に終戦宣言を推進できるとの受け止めも可能だ。 情報機関・国家情報院のシンクタンク、国家安保戦略研究院のチョ・ソンリョル首席研究委員は、「終戦宣言と平和協定をそれぞれ非核化の『入り口』と『出口』に置くという政府の考えが大きく変わったのではないように思われる」とし、「非核化の初期措置とともにという表現は終戦宣言を推進するにあたり、柔軟性を持たせるためのものとみられる」と話した。
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