姜さんは1939年、慶尚南道晋州でハンセン病を患う両親の下に生まれ、早くに父を亡くした後、46年に母と共に小鹿島に隔離された。同島には今もハンセン病患者の療養施設「国立小鹿島病院」がある。
詩集には、13歳で発病した姜さんや母の隔離生活、小鹿島内のハンセン病患者の子どもが通った小学校の風景、ハンセン病回復者の定着村を作るために干拓事業場で働いた経験など、壮絶な人生をつづった67篇の作品が収められた。
62年に島を脱出し、社会復帰した姜さんはこの詩集以外にも、ハンセン病患者の人権問題を社会に訴えるため随筆集「小鹿島 賎国への旅」(2006年)などの作品を発表した。
10年11月に小鹿島病院に再入院した姜さんは16年に小説「谷山の忍冬草の愛」(16年)を出版するなど現在も作品活動を続けており、病院の開院100周年を記念して発足したハンセン病患者による芸術同好会の会長を務めている。
国立小鹿島病院によると、翻訳を担当した川口祥子氏は日本語版出版のために姜さんの過去の作品を精読。小鹿島を訪れ、作家にインタビューを行った。
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