ハス池に架かる橋を散歩する親子=(聯合ニュース)
ハス池に架かる橋を散歩する親子=(聯合ニュース)
【始興聯合ニュース】日本の横浜は東京から近い距離にありながら、一年を通じて全国から旅行者が訪れる人気の観光地でもある。韓国の首都圏にも、東京にとっての横浜と同じような位置に観光地がある。それが京畿道の始興市だ。 始興市はソウルの南西に位置する衛星都市だが、都心からのアクセスが良いだけでなく、海岸に接しているなど自然景観が魅力的だ。ソウルからであれば日帰りできるため、施設の入場料と駐車料金のほかにはあまり費用がかからず、低予算で旅行できるのもうれしい。 始興の代表的な観光地の一つが下中洞にあるハス池「官谷池」だ。この池は、朝鮮王朝前期の文官で農学者でもあった姜希孟(カン・ヒメン)が中国の明から持ち帰ったハスの種を植えたのが始まりという。池の周辺には19.3ヘクタールのハスのテーマパークが造成され、観光客から愛され続けている。 残念ながら初秋の今はほとんどのハスが咲いていない。だが熱帯地方原産のオオオニバスは今が盛りだ。ビクトリアとも呼ばれるこのハスはテーマパークの1区画だけで見ることができる。葉の縁が立ち上がり皿のようになっていて、水に浮きやすい形をしている。このハスの花は夜間の開花の姿が美しいことで知られる人気の被写体だが、テーマパーク内では夜間のフラッシュを利用した撮影は禁じられているため注意が必要だ。  官谷池は天然記念物であるヘラサギが捕食をする場所としても知られ、ヘラサギの姿を見ることができる。ただヘラサギを驚かせないよう注意を促す案内があちこちに設置されていて、来場者は気をつけなければならない。 ハスの葉で作られたソフトクリームも売られている。普通のソフトクリームとは一味違う味と香りを楽しむのも旅の醍醐味だ。小さい子を連れた若い母親が幸せそうに見えた。 テーマパークを出て、海辺と接している「烏耳島」方面に向かう。ただ、そのまま烏耳島に向かう前に、立ち寄るべき美しい公園が2カ所ある。 一つ目は「玉亀公園」だ。玉亀という名称はかつてここにあった玉亀島から付けられた。現在、住宅地になっている場所は、以前は海で、島の周辺を埋め立てて作られた。約33万5000平方メートルの玉亀公園は2000年に造成された。 夕焼けが美しいと聞いて立ち寄ったが、残念なことに公園内からは海抜95メートルの玉亀山に遮られ、夕焼けを見ることができなかった。近くにいた人に尋ねると、夕焼けを見るには玉亀山に登らなければならないという。園内には多種多様な草花が美しく植えられており、多くの人がピクニックを楽しんでいた。今年まで無料で利用できる木工体験場も人気だ。 二つ目は「ペゴッ公園」だ。海岸に造成された23万2456平方メートルの公園で、遠くには仁川の松島新都市が見え、目の前では黄海の波が打ち寄せる。自転車道がよく整備されており、自転車や電動キックボードなどを楽しむ人たちに人気だ。一定の間隔で以前は軍事用の施設だったと見られる小さいコンクリート家屋があるが、これも美しくペイントされ、かえって風情が増している。 同公園には海水体験施設もあり、人気だ。簡単に言えば海水を利用したプールで、猛暑だったこの夏も多くの来場者があった。   最終目的地は「烏耳島」だ。烏耳島という地名から分かるように、本来は陸地と約4キロ離れた島だった。この島が陸地とつながったのは、日本による植民地時代のことだった。干潟が塩田として利用されるうちに自然と陸地と近づいた。今では海産物が入ったカルグクス(うどんのような麺料理)など、海の幸を楽しめる料理店が並ぶ観光地に変貌した。 ランドマークになった赤い灯台を背景に写真を撮る人で賑わっている。また同公園に設置されたオブジェ「烏耳島生命の木」は日没後にイルミネーションがともり、日中とは異なる美しさを見せる。
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