1987年12月15日に韓国に身柄を送られた金元死刑囚(資料写真)=(聯合ニュース)
1987年12月15日に韓国に身柄を送られた金元死刑囚(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】1987年に起こった大韓航空機爆破事件の遺族らが実行犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元北朝鮮工作員(元死刑囚)を名誉毀損(きそん)などで告訴したことを受け、韓国の警察が捜査に着手したことが26日までに分かった。

 警察によると、ソウル中央地検はソウル瑞草警察署に同事件の捜査を指示した。

 同署の関係者は「前日、告訴状を受理した」と伝えた。警察は日程を調整し、告訴した遺族会への聴取から捜査を始める予定。

 金元死刑囚は2008年から、これまで4回にわたるメディアとのインタビューで、遺族らを「(北朝鮮に追従する)従北左派、従北勢力」と非難し名誉を毀損した容疑がもたれている。

 また爆破事件の真相究明のため、市民活動家や宗教家などが発足させた対策本部に対して、「親北性向団体、民族の反逆者」などと罵倒し、活動を妨害した疑いもある。

 遺族会と真相究明対策本部は23日にソウル中央地検を訪れ、金元死刑囚を情報通信網法上の名誉毀損と業務妨害の疑いで告訴した。

 警察が捜査に着手したことで、金元死刑囚は被告訴人として捜査を受けることになる。

 1987年11月29日、イラク・バグダッド発の大韓航空機はソウルに向かう途中、インド洋上空で消息を絶ち、乗客と乗務員115人全員が行方不明になった。韓国政府は遺体や遺品を一つも見つけることができなかった。

 この事件は、安全企画部の当時の捜査と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の再調査で、北朝鮮による爆破テロ事件と結論づけられたが、遺族らは金元死刑囚の供述のほかに物証がないことを指摘し、真相究明を求め続けている。


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