事件の遺族会と真相究明対策本部によると、一同は午前にソウル中央地検前で記者会見を開いた後、金元死刑囚を情報通信網法上の名誉毀損と業務妨害の疑いで告訴する。ソウル中央地検に提出する告訴状には、「金賢姫が北の工作員だとか大韓航空機が爆破されたという事実を立証する客観的な証拠が全くない」とし、「事件発生の経緯に関する当時の韓国政府の発表は全面的に金賢姫が自白した内容にすぎない」と記す。
金元死刑囚の自白に疑問を持つ市民活動家や弁護士、宗教家などは2001年に対策本部を構成し、遺族会と共に真相究明を要求してきた。告訴の理由を、「金賢姫は面談要求をすべて拒む一方で、総合編成チャンネルやインターネット放送に何度も出演し、真相究明活動を(北朝鮮に追従する)『従北』と罵倒した」とする。
1987年11月29日、イラク・バグダッド発の大韓航空機はソウルに向かう途中、インド洋上空で消息を絶ち、乗客と乗務員115人全員が行方不明になった。韓国政府は遺体や遺品を一つも見つけることができなかった。
韓国情報機関の国家安全企画部(現・国家情報院)は事件を北朝鮮による爆破テロ事件と見なし、韓国大統領選前日にあたる12月15日、金元死刑囚を実行犯とし、身柄の引き受けを受けた。同工作員は1998年に死刑宣告を受けるも、同年に赦免された。
この事件は、安全企画部の当時の捜査と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の再調査で、北朝鮮による爆破テロ事件と結論づけられたが、遺族らは金元死刑囚の供述のほかに物証がないことを指摘し、真相究明を求め続けている。
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