朴槿恵政権当時の梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長(コラージュ)=(聯合ニュース)
朴槿恵政権当時の梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の大法院(最高裁)が、訴訟で朴槿恵(パク・クネ)前政権の意向に沿う見返りとして「上告法院」導入の同意を得ようとしたとされる疑惑について、検察が本格的な捜査に乗り出したことが20日までに分かった。

 法曹界によると、ソウル中央地検は先ごろ、日本による植民地時代に強制徴用された被害者らが日本企業を相手取り韓国で起こした裁判を担当した原告側の弁護士から意見を聴取した。同弁護士は「2件目の審理である上、争点が最初と変わらないのに、大法院は5年間、結論を先送りしている。訴訟が長くなり、原告9人中7人が亡くなった」と供述した。当時の朴槿恵政権にとって対日関係の改善は重要懸案だったとされ、最高裁が原告勝訴の判決を出せば、両国関係がさらにぎくしゃくする可能性があった。

 疑惑について検察は「上告法院関連の青瓦台(大統領府)対応戦略」という名の文書と、代理人らの供述、訴訟記録などに基づいて、結論が先送りされた過程を綿密に調べている。

 上告法院とは最高裁が処理する上告事件のうち、一部を分けて処理する裁判所。最高裁は現行制度で裁判官全員一致の判断が必要となる重要事件のみを処理し、そのほかは上告法院に委ねることになる。大法院は同制度の導入を推進したが、実現しなかった。

 朴槿恵政権当時の梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長(最高裁長官)については、「上告法院」導入の同意を得るため、政府寄りのスタンスを取ったとの疑惑が出ている。


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