自走砲「K9」(資料写真)=(聯合ニュース)
自走砲「K9」(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国軍が南北軍事境界線に近い北西島しょで実施している自走砲「K9」などによる定例の射撃訓練を今年は行わない方針であることが25日、分かった。

 韓国政府筋は「下半期(7~12月)に予定されている北西島しょでの射撃訓練を一時中止する」として、「接敵地域での砲射撃訓練は(南北首脳会談で署名された)『板門店宣言』の『敵対行為の全面中止』の精神に抵触する」と述べた。

 板門店宣言には「南と北は地上、海上、空中をはじめ全ての空間で軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止することにした」と明記されている。

 北西島しょで実施される韓国と米国の海兵隊による小規模合同訓練の中止に続き、砲射撃訓練の中止を決めたのは、南北関係の進展や北朝鮮の非核化を巡る朝米(米朝)対話などを踏まえた措置とみられる。

 ただ、軍の戦闘準備態勢に影響が出るとの懸念の声もある。

 同筋は「北は夏季訓練期間、上層部から指示があれば射撃訓練を実施した」として、「現在、北の軍は営農活動に注力しており、射撃訓練などの動向はない」と伝えた。

 韓国の海兵隊は毎年7~8月と11~12月ごろ、戦闘準備態勢の点検や装備の運用能力向上などのため、K9などの射撃訓練を行っている。訓練期間中は北朝鮮の挑発に備え、空軍や海軍などが戦力を備え待機する。

 射撃訓練にはK9や105ミリけん引砲、81ミリ迫撃砲などが投入される。射撃目標は北朝鮮に近い黄海の白ニョン島の西方向に位置する海上だ。


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