韓国入りする北朝鮮レストランの女性従業員。2016年4月に統一部が公開した(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国入りする北朝鮮レストランの女性従業員。2016年4月に統一部が公開した(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が2016年に中国内の北朝鮮レストランから脱出して韓国入りした女性従業員12人の送還を繰り返し求める中、北朝鮮の在ジュネーブ国際機関代表部が先月30日、従業員の送還と国連人権機関による措置を求める発表文を出した。朝鮮中央通信が2日、伝えた。 同代表部は朴槿恵(パク・クネ)前政権が従業員らの集団亡命を強行したことを韓国当局が認め、従業員らを速やかに送還して南北関係改善の意思を示すよう要求した。 北朝鮮は従業員の送還を、朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族の再会行事開催の前提条件としており、4月末の南北首脳会談で合意した8月15日の再会行事開催に影響が出るとの懸念も出ている。再会行事について協議する南北赤十字会談が今月22日に北朝鮮・金剛山で予定されており、北朝鮮が従業員送還問題を持ち出す可能性も指摘される。 また、北朝鮮に拘束されている韓国人6人の解放への影響にも注目が集まる。韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は1日の南北閣僚級会談後の記者会見で、この問題について北朝鮮側が「関連機関で検討していると説明した」と明らかにした。北朝鮮側はこれまで同問題について全く反応を見せてこなかったため、進展を期待する声も上がっていた。 趙氏は脱北従業員の送還問題については「北側は話さなかったとみればよいと思う」とも述べ、脱北従業員の送還と拘束韓国人の解放は「別個の問題」と強調した。 東国大北朝鮮学科の金榕炫(キム・ヨンヒョン)教授は同問題に関し「北も敏感な問題であることをよく理解しており、争点化には相当の負担があるとみられる」と分析した。 ただ、12日に予定される朝米(米朝)首脳会談をはじめ、今後、朝鮮半島情勢を巡る熾烈(しれつ)な駆け引きが続くことが予想される中、北朝鮮が同問題を南北関係を揺さぶる「カード」としていつでも使えるとの見方もある。
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