デジタルグローブが23日に撮影した豊渓里の核実験場=(ロイター=聯合ニュース)
デジタルグローブが23日に撮影した豊渓里の核実験場=(ロイター=聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は24日、北東部の咸鏡北道吉州郡豊渓里にある核実験場廃棄の式典を実施した。廃棄作業を取材するため訪朝した記者団が伝えた。北朝鮮の核開発の象徴だった「豊渓里」が、非核化に向けた出発の場所となるかどうかが注目される。 北朝鮮の朝鮮中央通信は2013年2月12日に行った3回目の核実験を報じた際、豊渓里の核実験場を指す「北部地下核実験場」という言葉を初めて使った。この言葉は北朝鮮の1回目、2回目核実験の報道には登場しなかった。韓国の政府やメディアは、1回目核実験の直後から地名にちなんでこの場所を「豊渓里核実験場」と呼んできた。 豊渓里の核実験場では06年10月9日の1回目核実験以降、09年5月25日、13年2月12日、16年1月6日と同9月9日、17年9月3日と、計6回にわたり北朝鮮の核実験が行われた。そのたびに朝鮮半島情勢は大きく揺れ、韓国をはじめとする周辺国と国際社会は不安と恐怖に陥った。 国内外の情報機関や北朝鮮専門メディアは核実験の兆候を事前につかむため、衛星写真などを用いて核実験場周辺を綿密に監視してきた。 豊渓里は海抜1000メートル以上の高い山に囲まれている。専門家によると、岩盤のほとんどが花こう岩でできており、核実験で発生する放射性物質が流出する可能性が高くないため、核実験の場所として適しているという。 豊渓里の核実験場は万塔山の渓谷に位置し、吉州郡の市街地からは42キロほど離れているとされる。 核実験場の坑道の入り口は全部で四つ。東側にある1番坑道は北朝鮮の1回目核実験で使用され、放射能汚染により閉鎖された。北西側にある2番坑道は2~6回目の核実験に使用された。 2番坑道から南に150メートルほど離れた場所にある4番坑道は、北朝鮮が4~5回目核実験の準備中に掘削を中断したが、昨年10月に再開した。一番南側にある3番坑道は北朝鮮が12年3月に掘削を終え、維持・管理してきたとされる。 北朝鮮当局は機密維持のため核実験場周辺地域の住民を他地域に移し、常時の警備で同地への出入りを徹底して規制した。特に、6回目核実験による放射性物質で豊渓里の周辺は深刻に汚染されたと専門家は分析している。
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