北朝鮮分析サイト「38ノース」が掲載した21日の豊渓里・核実験場の衛星写真=(聯合ニュース)
北朝鮮分析サイト「38ノース」が掲載した21日の豊渓里・核実験場の衛星写真=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が廃棄すると予告した核実験場がある北東部の咸鏡北道・豊渓里に、世界の耳目が集まっている。 北朝鮮は天候を考慮して23日から25日の間に坑道を爆破する方法で核実験場を廃棄するとしており、韓国統一部の当局者は24日、「(天候など)全般的な事項を考慮すると、きょう行事が行われるのではないかと期待している」と伝えた。廃棄の式典の様子は韓国、米国、英国、中国、ロシアの記者団が現地で取材する。 核実験場の廃棄は、北朝鮮が先ごろ戦略的路線を転換して国際社会に示した非核化の意思を実行に移す第一歩といえる。 北朝鮮は先月20日の朝鮮労働党中央委員会総会で、核開発と経済建設を同時に進める並進路線を終了させ経済建設に総力を挙げる新たな路線を採択した。こうした背景から、同27日の南北首脳会談の「板門店宣言」に「完全な非核化」という目標を明示することに同意し、米国とも6月12日の朝米(米朝)首脳会談で非核化と体制保証を取引するための議論を行っている。 首脳会談を間近に控え、朝米は近ごろ神経戦を繰り広げている。北朝鮮は米国の高官が見返りより核放棄を先行させる「リビア方式」の非核化に言及したことに反発、会談の「再考」を警告し、一方のトランプ米大統領は会談延期の可能性を示唆して北朝鮮をけん制した。 だが、こうした中でも北朝鮮は予定通り核実験場廃棄の式典を行い、朝米会談に臨むための非核化措置の「本流」は外れないという姿勢を改めて示すとみられる。海外メディアの前で使用可能な坑道を含む全ての坑道を爆破することは、非核化の意思を国際社会に象徴的に示す意味がある。 核実験場の廃棄の式典が滞りなく行われれば、朝米首脳会談での非核化議論の見通しにもプラスに作用しそうだ。米紙ワシントン・ポストによると、朝米の当局者は今週末にシンガポールで首脳会談に関する実務協議を行う予定で、廃棄の実施はこの話し合いのムードにも影響するとみられる。 核実験場の廃棄を予定通り行えば、北朝鮮は今後の首脳会談に向けた米国との交渉で「相応の措置」を求めると予想される。北朝鮮の立場を代弁する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙の朝鮮新報は22日、核実験場廃棄の公開は、平和を目指し、相応の行動を相手に促すために先に取る措置と強調した。
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