文大統領(左)と金委員長による初の首脳会談が27日に開かれる(コラージュ)=(聯合ニュース)
文大統領(左)と金委員長による初の首脳会談が27日に開かれる(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による南北首脳会談が27日、開催される。朝鮮半島の命運をかけて話し合う両者の性格や話し方、交渉スタイルなどが対照的であることが、交渉にどのような影響を及ぼすのか注目が集まっている。文大統領は緻密に準備をし、心が定まれば実直に押し進めるスタイルで、一方の金委員長は相手の予想を超えた一手を見せるなど大胆で型破りな動きを見せてきた。

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 ◇慎重・実直に勝負する文大統領

 文大統領は石橋をたたいて渡る慎重な性格だ。どのようなことでも慎重に行い、腹が立っても感情をあらわにすることがほとんどない。

 青瓦台(大統領府)関係者は26日、聯合ニュースの電話取材に「文大統領は弁護士出身であるだけにすべてに慎重できちょうめんだ。腹が立ってもぐっとこらえる。常に自制して、乱暴な言葉を使わない性格」と話した。

 普段から慎重な文大統領は南北首脳会談に関することはさらに慎重に慎重を重ねてきた。先月は側近らに対し、南北問題について「ガラスの器」のように扱うよう指示したという。

 文大統領は昨年7月にドイツ・ベルリンで行った演説で南北対話の再開などを含む「新朝鮮半島平和ビジョン」(ベルリン構想)を発表し、平和を構築した上で朝鮮半島に新たな経済圏を作る「朝鮮半島新経済地図」構想を打ち出した。だが、北朝鮮はミサイル発射を続け、米国は先制攻撃の可能性を示唆するなど、ベルリン構想は動き出す前から暗礁に乗り上げたなどと指摘された。

 しかし文大統領は一貫して北朝鮮核問題の平和的・外交的解決を主張し、その結果、不可能と思われていた南北首脳会談と米朝首脳会談の実現が目前に迫っている。

 ◇「率直で大胆」 予想外の動きみせる金委員長

 金委員長は文大統領と対照的に大胆で型破りな動きを見せてきた。昨年は国際社会から強く非難されているにもかかわらず、6回目の核実験を強行し、大陸間弾道弾(ICBM)級のミサイル発射を継続。トランプ米大統領を挑発し、軍事的な緊張を高めた。

 だが、今年1月1日発表した施政方針に当たる「新年の辞」で態度を一転。韓国に和解に向けたメッセージを投げかけ、わずか数か月前に見せていた軍事衝突をも辞さない態度とは180度異なる姿勢を見せた。

 また先月5~6日に韓国特使団が訪朝した際には、「体制の安全が保証されれば核を保有する理由がない」とし、非核化の意思を明らかにした。平壌から戻った韓国特使団は金委員長について、「率直で大胆」と評価した。

 また特使団の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(閣僚級)をメッセンジャーとして、トランプ米大統領に米朝首脳会談開催の意向を伝えるなど大胆な手を打った。さらに南北首脳会談と米朝首脳会談を前に、政権発足後初めて中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。

 ◇スタイルが正反対の両首脳 会談の行方は

 文大統領と金委員長は31歳の年齢差がある。1984年生まれとされる金委員長は、文大統領の長男より2歳若い。スタイルが異なる上に、父と子ほどの年齢差がある両首脳がうまく会談を進めていくことができるか懸念する声が一部から上がっている。

 一方で、両首脳は朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制の構築という議題について、大枠で一致しているため、会談について大きく懸念する必要はないとする向きもある。

 青瓦台関係者は「両首脳はスタイルが異なる面はあるが、性格が違う人のほうがかえって合うという言葉もある」とし、「会談前の特使の北訪問や実務・閣僚会談などで南北が十分に交流しているため、良い結果を期待できると思う」と話した。 


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