沈没するセウォル号(海洋警察庁提供)=(聯合ニュース)
沈没するセウォル号(海洋警察庁提供)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】2014年4月に韓国南西部の全羅南道・珍島沖で起きた旅客船セウォル号沈没事故から丸4年がたった。深い海の底に沈んだ船体は事故から3年が過ぎてようやく引き揚げられたが、依然5人が行方不明のままとなっている。全羅南道の木浦新港の埠頭(ふとう)に横倒しで置かれているセウォル号は来月末に直立に起こされ、その後に最後の行方不明者捜索作業などが行われる。

 セウォル号は14年4月15日夜にソウル郊外・仁川の港を出発し、南部の済州島に向かった。翌16日午前8時50分ごろ珍島沖で左に傾き始め、18日午前11時50分に船首部分が沈み完全に沈没した。

 事故当時、セウォル号のイ・ジュンソク船長と乗務員らは乗客に「動かないように」と放送で指示して自分たちだけ海洋警察のボートで脱出し、国民の大きな怒りを買った。船が傾き、出入り口が水に沈みつつあった中でも放送を信じて救助を待っていた乗客たちは、脱出の機会を永遠に失った。

 船には修学旅行中だった檀園高校(京畿道安山市)の生徒325人と教師14人、そのほかの乗客104人など総勢476人が乗船していた。172人は救助され295人が死亡、9人が行方不明となった。

 事故地点は潮流が激しい海域で、プロの潜水士でも海中での捜索に苦労した。政府は事故から209日後の14年11月11日に行方不明者の捜索をいったん打ち切り、船体の引き揚げに方向を転じた。

 入札を経て中国国営企業の上海サルベージが引き揚げを担うことになり、15年8月7日に作業が始まった。当初計画していた引き揚げ完了時期は16年6月だったが、海中での準備作業は予想よりはるかに複雑で時間がかかり、沈没から約3年を経た17年3月23日、セウォル号はようやく海面に姿を現した。同4月11日、木浦新港の埠頭に陸揚げされた。

 その後、船内から運び出した泥土を水で洗い遺骨を探す作業と、事故海域の海中での捜索作業が並行して行われた。7か月近くの捜索で、行方不明となっていた9人のうち檀園高校の教師と生徒など計4人の遺骨が発見され家族の元に返されたが、今なお5人の遺骨は見つかっていない。

 17年11月16日、木浦新港で捜索の様子を見守り続けた行方不明者の家族は記者会見を開いて「これ以上の捜索は無理な要求だという結論を出した」などと述べ、港を立ち去った。

 セウォル号船体調査委員会は今年2月から、横倒しになっている船体を起こす作業に取り掛かっている。作業員の安全上の懸念から十分に捜索できていない機関室などを調べ、事故の真相を解明するために必要だとの判断からだ。5月31日に海上クレーンを使って船体を直立させた後、調査委の活動期限である8月まで最後の捜索作業と事故原因の調査を行う予定にしている。


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