李洙勲駐日大使(資料写真)=(聯合ニュース)
李洙勲駐日大使(資料写真)=(聯合ニュース)
【東京聯合ニュース】韓国の李洙勲(イ・スフン)駐日大使は旧日本軍の慰安婦問題について、2015年12月末の韓日政府の合意で解決することはできないが、韓日が共に新たな取り組みをするのは難しいとの見解を示し、「長期的なアプローチにしよう」と述べた。先ごろ韓日記者団の交流行事に参加するため東京を訪れた韓国外交部担当の記者団との懇談会で発言した。 李氏は慰安婦問題を、触りすぎると悪化することもあるデリケートな傷にたとえた。その上で長期的なアプローチを「見方によっては、前進しないよう、論点にならないよう、縫合するとでも言おうか。THAAD型の解決と見なすことができる」とした。 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備を巡り、韓中は姿勢の違いはさておき、交流と協力関係の改善に乗り出した。李氏の発言は、慰安婦問題も同様に、韓国政府が合意に対する韓日間の隔たりはそのままに、問題を縫い合わせふさぐ方法を選択したというように解釈できる。 李氏は日本の雰囲気について、「相手側が受け入れたり理解したりしようとする態度ならば、『10程度すればいい、われわれが90するから』、あるいは『20対80にしよう』などと交渉的な働きかけが可能だが、そのアプローチは通じない雰囲気だ」と伝えた。慰安婦被害者が要求する日本の心からの謝罪などに関しても「現時点ではあまり期待していない」とした。一方で「韓国政府が被害者をいたわって包み込み、多くのことをするではないか」と言及した。 日本政府、特に首相官邸は慰安婦合意に対し強硬な姿勢だという。李氏は「いくら対話したところで役に立たない。これが政界に広がらないようにするため、多数の政治家に会っている」と説明した。韓国で先月、合意に対する検証結果が発表され、続いて政府が立場表明したことに対する反応については、「日本政府の反発は、思ったよりは弱かった」と伝えた。 一方、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の訪日に関し、李氏は「年内には当然来るべきだ」と述べた。日本で3~4月にも韓中日首脳会談が開催されるのではないかと期待しながら、実現しない場合は個別にでも訪問すべきとの見解を示した。 現在の韓日関係を、2012年に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を訪問し、関係が悪化したころと比較する見方もある。これに関しては「今はそのころほどではない。北が悪材料ではあるものの、韓日間には(北への対応のために)結びつく部分がある」と答えた。さらに、「7~8年前ははわれわれが韓日間の安全保障協力をこうしようと期待することができなかったが、今は(両国間で軍事情報を共有する軍事情報包括保護協定の)GSOMIAを延長しても特に反対もない」とした。むしろ日本がより踏み込んだ軍事協力を求めるのに対し、韓国が軽くブレーキをかけているとし、「韓日間の安保と軍事協力は相当進展した」と評価した。 来月韓国で開催される平昌冬季五輪に安倍晋三首相が出席する可能性に対しては「まだわからない」と答えた。一方で、大島理森衆議院議長、日韓議員連盟の額賀福志郎会長をはじめとする「知韓派」議員らが多く訪れると強調した。
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