支援策を発表する統一部次官=10日、ソウル(聯合ニュース)
支援策を発表する統一部次官=10日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が北朝鮮との経済協力事業である開城工業団地に拠点を持つ韓国企業に対し、同団地の操業中断による被害への支援として新たに660億ウォン(約67億円)を支援する。また、2010年に北朝鮮による韓国海軍哨戒艦撃沈を受けて取った制裁措置(5・24措置)と08年の北朝鮮・金剛山観光の中断によりそれぞれ被害を受けた企業についても、政府として初めて支援を行う。政府は10日、統一部をはじめとする関係機関の協議を経て、こうした支援策を発表した。 統一部は「政府の突然の政策の変更により苦境に陥った企業に対し、国が責任を負うという意味で取った措置」と説明した。 政府は昨年2月、北朝鮮の4回目核実験への対抗措置として開城工業団地の操業を全面的に中断して以降、同団地進出企業に対しこれまで5173億ウォンの支援を行ってきた。この支援額は政府の実態調査で確認された被害額(7861億ウォン)の65.8%にあたる。新たに660億ウォンの支援を行えば計5833億ウォンと、被害額の74.2%に引き上げられるという。 追加支援額のうち516億ウォンは159社を対象に、商品や原材料・副資材など流動資産の被害の支援に充てられる。補償の上限を従来の「被害額の70%、22億ウォン」から「被害額の90%、70億ウォン」に引き上げた。また、土地や工場など投資資産の被害に対し144億ウォン、保険が適用されない資産の被害にも95億ウォンを支援する。 この追加支援は月内に開かれる南北交流協力推進協議会で確定する。 統一部関係者は「支援金の支給はこれが最後。販路開拓の支援など、経営正常化に向けた支援は継続されるだろう」と話した。 一方、開城工業団地以外の南北経済協力事業に携わる企業については、これまで特別貸付を3回、運営資金の緊急支援を1回実施しただけで、被害に対する直接の支援はなかった。 5・24措置では南北貿易が禁じられ、北朝鮮内(開城工業団地を除く)で衣料の賃加工事業をしていた韓国企業に被害が発生した。また、韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺された事件をきっかけに金剛山観光が中断されると、事業者である現代グループ傘下の現代峨山だけでなく、現地で飲食店などを運営していた企業も打撃を受けた。 統一部関係者は「経済協力事業にかかわる約1000事業者のうち、約900事業者が支援対象になると推定される」とした。 政府は実態調査を実施した上で、来年1~2月ごろ支援金を支給する計画だ。
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