「火星12」発射の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
「火星12」発射の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は15日朝、平壌の順安付近から東方に向けてミサイル1発を発射し、約3700キロ飛行させた。これまでに通常の角度で発射したミサイルのうち最も飛行距離が長く、有事の際に米軍増援戦力が集結する太平洋の米領グアムを攻撃できる能力を誇示したとみられる。ミサイルは日本の北海道上空を通過し、太平洋上に落下したと分析される。 北朝鮮が8月29日に順安付近から発射した中距離弾道ミサイル「火星12」は日本上空を通過し、約2700キロ飛行した。この日発射したミサイルの飛距離は、これより1000キロほど長い。 韓国軍当局は今のところ、今回のミサイルは射程4500~5000キロと推定される「火星12」だった可能性が高いとみている。一方、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星14」の飛距離を縮め、太平洋上空で核弾頭爆発の模擬実験(シミュレーション)を行った可能性を指摘する専門家もいる。「火星14」の射程を巡っては専門家や分析機関の評価が分かれるが、6500~1万キロほどに達すると見込まれている。 北朝鮮がミサイルを約3700キロ飛ばしたのは、朝鮮半島有事の際に米軍増援戦力が集まり、出発する拠点となるグアムを攻撃する十分な能力を備えていることを示す狙いがあったとみられる。平壌からグアムまでの距離は約3400キロだ。一方、平壌から米ハワイまでの距離は約7200キロで、「火星12」では届かない。 有事の際に米本土を出発した増援戦力はグアムに集結した後、在日米軍基地に移動する。グアムのアンダーセン空軍基地には爆撃機B1Bや無人偵察機グローバルホークなどの戦略兵器が常時待機している。グアムの海軍基地にも米軍の原子力潜水艦が配備されている。専門家らは、北朝鮮が有事の際にミサイルでグアムを攻撃し、増援戦力を足止めする構えを示したと分析している。 北朝鮮が、ミサイルによる「グアム攻撃能力」を立証したことで自信を持ち、10月10日の朝鮮労働党創建記念日を機に米本土を脅かすICBMまたは現在開発中の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3」の能力を誇示する可能性も取り沙汰されている。
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