【ソウル聯合ニュース】韓国軍当局が原子力潜水艦の建造と運用に向け、国際法規などの制約を解消するための研究に取り掛かったことが27日、政府筋の話で分かった。海軍が民間機関に依頼して研究課題を設定し、政府と軍がこれを基に建造するかどうかを最終決定するとみられる。早ければ年末ごろにも建造の可否に対する大筋が固まる見通しだ。 韓国では政府・軍内部や政界で、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の脅威に対抗するため原子力潜水艦を建造すべきとの声が強まっている。李洛淵(イ・ナクヨン)首相は16日にニュース番組で、「原子力潜水艦の導入を検討する時期が来た」と述べた。 政府筋は「北は大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の弾道ミサイルを試射するなど核・ミサイルの威嚇を強めており、SLBMを搭載した潜水艦の戦力化に力を入れている」と述べ、「これに対処する最も効率的な兵器システムとして原子力潜水艦の必要性を挙げる専門家が多い」と伝えた。 一部では、文在寅(ムン・ジェイン)政権の脱原発政策、朝鮮半島非核化宣言、韓米原子力協定などを挙げ、韓国による原子力潜水艦の建造・運用には制約があるとの指摘も出ているが、軍関係者は、艦艇の推進動力として原子力を使用することについて国内外の条約や協定、宣言などの規定は異なる解釈の余地があると説明。「近ごろ開発されている原発技術は安全性が高くて放射能漏れのリスクが低く、民間用船舶のエンジンとして積極的に検討されている」と述べた。 専門家も、原子力技術で世界トップ5に入る韓国がその気になれば、2~3年のうちに原子力潜水艦を建造できると主張する。 潜水艦に詳しい元海軍大領(大佐)のムン・グンシク氏は「核燃料として使用される濃縮度20%未満のウランは国際市場で商取引によって購入できる。核兵器を開発する計画が全くないことを国際原子力機関(IAEA)に堂々と報告し、国際社会に宣言した後に(建造を)推進することもできる」と話している。核兵器の製造には濃縮度95%水準の高濃縮ウランが必要になる。 北朝鮮は固体燃料エンジンを使用するSLBM「北極星1」をすでに開発しており、専門家によると射程2000~2500キロと推定される新型SLBM「北極星3」を開発した可能性も高いとされる。
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