7月にドイツ開かれた韓中首脳会談での文大統領(左)と習主席=(聯合ニュース)
7月にドイツ開かれた韓中首脳会談での文大統領(左)と習主席=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は韓中国交正常化25周年を迎えた24日も対中外交を巡り控えめな姿勢を維持した。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備に反発する中国との冷え込んだ関係を改善する画期的な解決策を見いだせずにいる状況をそのまま反映しているかのようだ。 両国は記念行事を別々に開催し、出席者のクラスも過去に比べ下がった。このように微妙な神経戦の様相を呈している両国関係は当分の間、変わらないとの見方が大勢だ。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席は同日、祝賀メッセージを交換したが、青瓦台は外交部を通じメッセージを発表する形を取った。通常、首脳間の交換メッセージは青瓦台の報道官が発表するのが慣例だが、外交部によるメッセージ発表は韓中関係の現状を表している。 文大統領はメッセージを通じ、韓中関係を重視する考えを示しながら「実質的な戦略的協力パートナー関係へと発展させていくことを期待する」とした。既存の対中メッセージに比べ進展も後退もしていないと評価されている。むしろ、北朝鮮が核実験やミサイルによる挑発を続ける重大な局面で中国の役割の重要性を繰り返し強調している。 文大統領は先月ドイツで開かれた韓中首脳会談で中国の役割強化を求めたのに続き、今月21日に米議員と面談した際には北朝鮮経済が中国との貿易と支援に依存していると指摘しながら「中国の役割が重要だ」と述べた。 習主席もメッセージの中で韓中関係を重視しているとしたが「異見を妥当に処理し、両国関係を安定的かつ健全に発展させていくことを望む」と述べた。これはTHAADを巡る両国間の対立を韓国が解決すべきだと改めて強調したものだ。先月の韓中首脳会談でも同様の発言を行った。 両首脳は韓中関係を重視しているという考えでは一致したが、それぞれ強調点が異なった。 この日北京で韓国大使館が主催する記念行事には中国側から万鋼・中国人民政治協商会議全国委員会副主席兼科学技術相が出席する。万氏は朝鮮半島問題とは無関係な人物であるため、中国が基本的な儀礼は守りながらもTHAAD配備に対する不満を遠回しに表明したとの見方が大勢を占めている。 ソウルの中国大使館で開かれる記念行事には韓国国会の丁世均(チョン・セギュン)議長、青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(閣僚級)が出席する。外交・安保分野のコントロールタワーの役割を果たす鄭氏の出席は、中国側よりも積極的な関係改善への意欲の表れを意味しているとされる。外交部からは同日ロシアを訪問する康京和(カン・ギョンファ)長官の代理として林聖男(イム・ソンナム)第1次官が出席する。 THAAD問題の影響で国交正常化25周年は盛り上がりに欠けているが、青瓦台は淡々と受け入れている。関係者は「北の核問題が絡む現状況で、中国のTHAAD配備撤回要求を聞き入れるわけにはいかない」と話している。 青瓦台は韓中関係を回復させなければならないという原則的な立場は固守している。その契機がいつになるか、どのような方法を取るかは課題として残っている。 最近の米朝の対話模索の兆しが韓中関係改善に向けた糸口になると解釈する向きもある。米朝間の対話ムードが高まり朝鮮半島の緊張が和らげば、THAADの追加配備保留と中国の韓国に対する報復措置撤回につながり行き詰まった関係に風穴が開くという見方だ。
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