半導体市場は好況が続いている(資料写真)=(聯合ニュース)
半導体市場は好況が続いている(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で今年1~7月の半導体部門の貿易黒字が、昨年1年間の黒字額を越えたことが10日明らかになった。 一方で、韓国半導体大手のサムスン電子とSKハイニックスがグローバル市場を掌握しているメモリー半導体部門の黒字が韓国の貿易黒字全体の半分近くを占め、貿易収支の偏りが深刻だとの指摘も出ている。 韓国IT業界と関連官庁などによると、今年1~7月の半導体部門の貿易黒字は288億9420万ドル(約3兆1810億円)で、前年同期間(126億700万ドル)より130%増加したと集計された。 先月だけでも46億6600万ドルの黒字を積み増し、年末まで5カ月を残した時点で早くも昨年通年の黒字額(256億1720万ドル)を超えた。 部門別では半導体メモリーが271億6850万ドルで大部分を占め、昨年には赤字を記録したシステムLSI(大規模集積回路)も、7月までに14億4340万ドルの黒字を計上した。 今年1~7月の韓国全体の貿易黒字は約557億3500万ドル(速報値)と集計されており、貿易統計の最下位分類項目に属する半導体メモリーだけで全体の48.8%に当たる黒字を出した計算だ。 これは、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)とNAND型フラッシュメモリーを中心に半導体メモリーの需要増加と価格上昇が続いたことによるものだ。今年1~3月期の世界のDRAM市場ではサムスン電子とSKハイニックスがシェア1、2位(44%、28%)を占め、NAND型フラッシュ市場では両社がそれぞれ1位と4位(36.7%、11.4%)に入った。 併せて、LGディスプレー(22%)とサムスンディスプレー(10%)がグローバル市場でシェア1位と5位を占めているディスプレー部門の貿易黒字も、今年1~7月に133億9970万ドルを記録し前年同期間より10%増加した。 近年好調が続く半導体とディスプレーを合わせると、計422億9390万ドルの黒字で貿易黒字全体の75.9%を占め、輸出依存度が高い韓国経済を支えていると評価される。 しかし、業界では半導体とディスプレーは市場変動性が大きい上、近ごろ中国が大規模投資に乗り出したことで技術格差が縮まるだろうとの懸念が出ており、半導体とディスプレーへの偏りが深刻な副作用を生む可能性があると憂慮されている。 業界の専門家は「現在の韓国半導体メーカーの輸出好調は、過去に投資したものを『スーパー好況期』に回収しているとみればよい」とし、「グローバルな競争が激しい状況では、先制的かつ十分な投資が行われなければ、まもなく韓国全体が深刻な打撃を受けるだろう」と懸念した。
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