在韓米軍基地に配備されているTHAAD発射台(資料写真)=(聯合ニュース)
在韓米軍基地に配備されているTHAAD発射台(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への最終的な配備が来年以降に先送りされることが有力となり、THAAD問題が韓米関係の重要課題として残ることになった。 韓国政府が28日、THAADが配備されている南部・星州の在韓米軍基地で進めてきた小規模環境影響評価を一般の環境影響評価に変更する方針を発表したことについて、米国はTHAADの年内配備という朴槿恵(パク・クネ)前政権時代の両国合意を正式に変更したものとして受け止める公算が大きい。 一般の環境影響評価には1年以上かかるとされる。今後の進捗(しんちょく)状況によっては評価期間が短縮される可能性があるが、年内配備は不可能になったとの見方が大半を占めている。 両国は昨年9月、星州のゴルフ場をTHAADの配備先に決め、2017年中に実戦配備を完了することに合意し、配備を急いできた。米軍は今年3月にTHAADの発射台2基を基地に配備し、4月には新たに4基を韓国に持ち込んだが、別の基地に保管している。 先月30日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ米大統領による初の首脳会談前、THAAD配備が両国関係を損ないかねない問題として浮上したことを受け、韓国政府はTHAAD配備決定を覆す意向はなく、適切な国内手続きを踏むだけだと表明し、米国側は「理解する」との立場を示した。 だが、韓国の外交消息筋らは双方の立場の隔たりが埋められたわけではないと指摘している。 韓国内でTHAAD配備を巡る論争が起きていることについて、トランプ氏が怒りをあらわにしたとされ、環境影響評価期間が米国の予想を大きく上回る場合、早期配備に向けて圧力をかけてくる可能性を排除できない。 北朝鮮が今月4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星14」を発射した後、米国内で北朝鮮の核とミサイルへの警戒感が強まり、さまざまな対北朝鮮制裁措置が進められており、THAAD配備過程に対する米国側の注目度が高まる可能性がある。 韓国政府としてはTHAAD問題が北朝鮮問題を巡る米国との連携に悪影響を与えないようにするという課題も抱えることになった。 今回の決定がTHAAD配備を巡る中国との対立を緩和できるかどうかも未知数で、韓中関係でも同問題が依然課題として残る公算が大きい。 文政権発足後もTHAAD配備の撤回を求めている中国がTHAAD配備延期を受け、韓国に対する経済制裁を緩和する措置を取る可能性について、外交筋らは中国の重要政治日程である共産党第19回党大会を控えている状況などを勘案すれば「不透明」との見方を示している。
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