懇談会で新任の閣僚らと談笑する文在寅大統領(前列左から4人目)=(聯合ニュース)
懇談会で新任の閣僚らと談笑する文在寅大統領(前列左から4人目)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は発足から2カ月が過ぎたが、長官(閣僚)人事の遅れや野党の反発でいまだに内閣の陣容が整っていない。前政権で任命された長官との「気詰まりな同居」が続き、新政権の国政目標と哲学を政策として具体化できずにいるため、「やることは山のようにあるのに、時間ばかり無駄にしている」ともどかしがる声があちこちから噴出している。 現行組織下の17部(省に相当)の長官のうち、11日までに任命された新長官は12人にとどまる。文政権は朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾に伴う早期の大統領選を経て発足し、政権引き継ぎの期間がなかったのは事実だが、李明博(イ・ミョンバク)政権が発足から18日で全長官を確定させ、続く朴槿恵前政権も発足後2カ月で長官全員を就任させたのに比べ、あまりに遅いと指摘される。 長官は国会の人事聴聞会を経て就任することになっており、現在、法務部と産業通商資源部、保健福祉部の長官候補3人が国会の聴聞手続きを待っている。また、国防部と雇用労働部の長官候補については文大統領の要請にもかかわらず野党の反発で人事聴聞報告書が採択されなかった。報告書が採択されなくても長官を任命することはできるが、強行した場合、与党・政府と野党側の対立激化は必至だ。 文大統領はこの2週間、初の韓米首脳会談に続きドイツで主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席し、北朝鮮核問題の平和的解決に向け韓国が主導的役割を果たすための環境をつくることに成功したが、新内閣の陣容が整っていない状況ではこの成果を受けた措置を円滑に進められない。 文大統領はドイツでの演説で、朝鮮戦争の休戦協定締結から64年になる今月27日に合わせ南北軍事境界線付近での双方の敵対行為を中止することを北朝鮮に提案したが、これを検討する司令塔となる国防部の新長官が任命されておらず、外交部との連携も進まない。 また、最初の候補の辞退により法務部長官の人選が遅れ、文大統領が掲げる検察改革も一歩も踏み出せずにいる。検察改革は法務部と検察のトップが両輪となって率いるべきものだからだ。 雇用労働部の新長官も就任していないため、文政権は非正規雇用者問題などに腰を据えて取り組むことができない。前政権で任命された長官らは遠からず職を去ることになるため、新政権の政策に深く関与せず、組織管理のみを行っている。 文大統領が国防部と雇用労働部の新長官任命を強行する場合、中小企業ベンチャー部の新設などを盛り込んだ政府組織法改正案の成立は一層困難になりそうだ。 若者の雇用対策を柱とする補正予算案が今月の臨時国会で成立しなければ実質的に無用の長物となることも、文政権の苦悩を深めている。野党は、両長官候補の指名を撤回しなければ予算案の審議に応じないとの姿勢を示している。
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