【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の核・ミサイル挑発が続いているにもかかわらず、韓国政府が人道支援に向けた国内民間団体と北朝鮮の接触を認め、進歩(革新)系の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足で韓国の対北朝鮮政策が変わったことをはっきりと示した。 統一部は26日、北朝鮮への人道支援を行う民間団体が申請した北朝鮮との協議を承認したと明らかにした。承認の理由について「南北関係が断絶している現状は朝鮮半島の安定などを考えると望ましくない」と説明している。同団体はマラリア予防などの支援事業について北朝鮮側と協議した上で、訪朝を申請するとみられる。政府は特別な事情がない限り、訪朝も承認する可能性が高い。 保守系の朴槿恵(パク・クネ)前政権も、北朝鮮が挑発をやめない場合でも社会的弱者への人道支援は続けるとしていたが、昨年1月に北朝鮮が4回目の核実験を行って以降は支援を事実上、中断した。 今月10日の文在寅政権発足後も、北朝鮮は態度を変えていない。14日と21日に相次いで弾道ミサイルを発射し、核・ミサイル開発を続ける姿勢を重ねて示した。にもかかわらず、「人道支援は政治的状況に関係なく実施する」という考えから、文政権は民間団体と北朝鮮の接触を許可した。 もちろん政府も、北朝鮮の核・ミサイル脅威が続いている状況では南北関係の改善に限界があることをよく承知しており、米国など周辺国の共感を得ながら国際社会の北朝鮮制裁に違反しない範囲内で南北交流を推進する方針とされる。人道支援は国連安全保障理事会の北朝鮮制裁と関係がなく、米国などさまざまな国が政府・民間レベルで実施している。 政府は北朝鮮への人道支援を手始めに、段階的に社会、文化、スポーツなどに交流の幅を広げる方法を模索するようだ。差し当たり、南北首脳による6・15宣言(2000年)17周年の行事開催を承認するかどうかが注目されている。 韓国民間団体の6・15共同宣言実践南側委員会は、平壌か開城で共同行事を開くことで北朝鮮と合意したとし、政府に北朝鮮側との接触許可を求めている。政府内では、北朝鮮核問題が解決に向かっていない状況で大規模な共同行事はふさわしくないという意見と、制裁にかかわらず承認すべきとの意見が拮抗(きっこう)しているとされる。 政府は一方、中断している北朝鮮景勝地・金剛山の観光事業と開城工業団地の操業については、北朝鮮核問題で進展があってこそ再開できるとの立場を取っている。金剛山観光事業と開城工業団地運営は北朝鮮の外貨獲得源になっていた。
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