【ソウル聯合ニュース 】北朝鮮は21日に弾道ミサイルを発射し、翌日に中距離弾道ミサイル「北極星2」発射実験の成功と実戦配備を発表した。14日に発射した中長距離弾道ミサイルとする「火星12」も遠からず実戦配備段階に入ると予想される。北朝鮮が両方を実戦配備した場合、有事発生時の米軍の増員戦力を断ち、ハワイとアラスカを攻撃できる「2本の槍」を持つことになる。また、北極星2は固体燃料、火星12は液体燃料のエンジンをそれぞれ用いており、北朝鮮が2種類のエンジンで弾道ミサイル開発を進めていることを象徴するものともいえる。 北朝鮮の朝鮮中央通信は22日に北極星2の発射実験の成功を報じ、固体燃料エンジンが安定的に作動したことを強調した。「北極星」系弾道ミサイルのエンジンは固体燃料を用いる。 その1週間前に発射した新型ミサイルの火星12は液体燃料エンジンだった。北朝鮮は中長距離とする新型弾道ミサイルを異なる燃料のエンジンで相次いで発射させることで、液体燃料と固体燃料のエンジンの両方で弾道ミサイル開発を進めていることをアピールしたと、専門家らはみなしている。 液体燃料エンジンのミサイルは燃料供給のバルブの調節により推力を細かく調整することができる。軌道の精密修正が可能で、ミサイルに搭載した弾頭を目的地に正確に落とせる。その半面、燃料の注入時間が長いために敵から攻撃される恐れもある。 固体燃料エンジンのミサイルは燃料の注入時間が短く、敵に対応する余裕を与えにくくする。液体燃料エンジンのミサイルに比べると推力の調整が難しい。 北朝鮮は火星12だけでなく、「スカッド」「ノドン」「ムスダン」系の弾道ミサイルすべて液体燃料にしている。 北朝鮮が新型ミサイルを液体燃料と固体燃料のエンジン両方で開発していることから、専門家らは大陸間弾道ミサイル(ICBM)も同じように開発されるとみている。火星12と北極星2はそれ自体価値を持つ戦略兵器であると同時に、ICBMの前段階のミサイルともいえる。ICBMはエンジン2~3個を組み合わせて開発されると予想されるため。北朝鮮は液体燃料と固体燃料という2種類のエンジンのICBMをつくり米本土への核攻撃の脅威を強めることになる。 専門家らはまた、新型ミサイル開発は昨年何度も試射に失敗したムスダンに代わるものとの見方も示している。 新型ミサイルとICBMを液体燃料、固体燃料ミサイルの両方で開発することに関し、韓国・慶南大極東問題研究所の金東葉(キム・ドンヨプ)教授は、北朝鮮が技術者に競争をさせることで、想像を超える速いペースで開発を進めていると指摘した。
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