北朝鮮での食糧配給の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮での食糧配給の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の新政権は北朝鮮のミサイル発射など政治的な状況とは別に、北朝鮮に対する人道的な支援を再開する方針を固めたようだ。統一部の当局者は22日、「北への人道的な支援は、政治的な状況と関係なく進めるというのが歴代政権の方針だった」としながら、「文在寅(ムン・ジェイン)政権ではぶれることなく、この原則を守るという考えだと承知している」と述べた。 朴槿恵(パク・クネ)前政権も北朝鮮の社会的弱者を対象にした人道的支援を続けるとの姿勢だったが、昨年1月の北朝鮮の4回目核実験を受け、「支援規模や時期を総合的に検討していく」との条件をつけ、支援を事実上中断した。 今月10日に新政権が発足すると、南北関係の改善への期待感から、北朝鮮への人道的支援や社会文化交流に取り組む10程度の韓国の団体が北朝鮮との接触許可を相次ぎ申請した。 統一部はこのうち複数の人道支援団体に対し北朝鮮との接触を近く承認する計画のようだ。これらの団体が北朝鮮側との接触を通じ支援事業を具体化すれば、訪朝も承認すると予想される。 政府はまた、世界食糧計画(WFP)や世界保健機関(WHO)など国際機関を通じた北朝鮮支援も再開する可能性が高いとされる。 北朝鮮は14日に新型弾道ミサイル「火星12」、21日に中距離弾道ミサイル「北極星2」と、韓国新政権発足後の10日余りの間に2度も弾道ミサイルの発射実験を実施した。挑発をやめる考えはないことを示した格好で、朝鮮半島は厳しい安保状況が続いている。それでも韓国政府は、こうした状況とは切り離し、人道支援を行うという強い意志を持っているようだ。 また、統一部の関係者は「非政治的な目的の社会文化交流は認められるべきではないか」と述べた。人道的な支援目的のほかに、社会文化交流に向けた北朝鮮との接触も承認する可能性が高い。
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