米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」が最近公開した北朝鮮の核実験場の衛星写真(資料写真)=(聯合ニュース)
米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」が最近公開した北朝鮮の核実験場の衛星写真(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮がトランプ米政権の軍事的圧力に対抗して核実験を準備する様子を見せており、朝鮮半島の緊張が高まっている。核実験という取り返しのつかない選択をすれば、トランプ政権はいかなる形であれ軍事行動に踏み切る可能性が高い。 米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は13日、北朝鮮北東部の咸鏡北道・豊渓里にある核実験場で核実験の準備が完了したとする衛星写真の分析結果を示した。北朝鮮が故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105年に当たる15日に6回目となる核実験を強行する可能性が指摘されている。韓米の軍当局は、同核実験場の2番(北側)、3番(南側)坑道でいつでも核実験が可能な状態だと判断している。 北朝鮮の1回目の核実験(2006年10月9日)は1番坑道で、2回目(09年5月25日)・3回目(13年2月12日)・4回目(16年1月6日)は2番坑道で行われた。16年9月の5回目核実験は、4回目核実験が行われた場所から400~500メートル離れた所で実施された。 北朝鮮が6回目の核実験に踏み切る場合、増幅核分裂などの技術を用いて威力を最大化し、核弾頭小型化の完成段階に入る可能性がある。北朝鮮が米本土を核兵器で攻撃しようとすれば、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と小型化した核弾頭が必須となる。 だがトランプ政権は、北朝鮮が米本土への核攻撃能力を手に入れつつあるのを黙って見ていることはないはずだ。米国はかつて、北朝鮮が核実験に踏み切ると国連安全保障理事会の制裁決議採択など主に外交的対応に力を入れ、軍事的には戦略兵器を朝鮮半島に展開して武力を誇示する程度だったが、トランプ政権は違う対応を取るとみられている。 米国は先ごろ、シリア政府軍が化学兵器を使用したとし、報復措置として同国の空軍基地に59発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。それからわずか1週間後には、アフガニスタンで活動する過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点を狙い、通常兵器で最大の破壊力があるとされる大規模爆風爆弾「GBU43B」を投下した。 米国の相次ぐ軍事行動は、トランプ政権が最も危惧する6回目核実験やICBM発射という挑発カードをちらつかせる北朝鮮政権に対する強い警告とも受け止められる。 金日成主席の生誕記念日を前後して米原子力空母カール・ビンソンが朝鮮半島近海に到着することも、注目に値する。トランプ大統領は先の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、カール・ビンソンの派遣について「北朝鮮のさらなる挑発を食い止めるためのもの」だと述べ、挑発への報復にこの空母を投入する可能性を示唆した。カール・ビンソンを用いた報復手段としては、艦載機で北朝鮮の重要施設を攻撃したり、同空母を中心とする空母打撃群の駆逐艦や巡洋艦がトマホークを発射したりすることが考えられる。 こうした状況から、北朝鮮はいつも以上に大きな代償を払うことになりかねない核実験など大型の挑発を控え、代わりに中・短距離弾道ミサイルの発射実験などで米国の出方を見る可能性もある。 また、緊張を高めるだけ高めておいて、結局は核実験をしないこともあり得る。突如強行した4、5回目の核実験と異なり、今回はまるで見せつけるかのように準備状況をさらけ出していることも、こうした見方に説得力を与えている。 トランプ政権が、北朝鮮への軍事的圧力を強めると同時に、中国を動かして北朝鮮の態度を変えさせる戦略に出ていることから、北朝鮮は重大な岐路に立たされている。
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