中国人観光客の姿が見えなくなった済州島の免税店=(聯合ニュース)
中国人観光客の姿が見えなくなった済州島の免税店=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への配備をめぐる韓中の関係冷却化が、両国間の旅行客急減を招いている。韓国の免税店を訪れる中国人客数、中国に旅行する韓国人客数がともに、1年前の半分ほどに落ち込んでいる。◇免税店・ホテル業界に打撃 訪韓中国人客は今月に入り、中国での反韓感情の高まりを受けて減少傾向にあった。そこへ今月15日から、中国当局による韓国への団体旅行の販売禁止措置が本格的に施行されたことで、減少に拍車がかかっている。 韓国文化体育観光部の統計によると、今月1~19日の訪韓中国人客は前年同期に比べ21.9%の減となった。中国の措置により、今月全体では減少率が40~50%に達するともみられている。 中国人客が売り上げの8割以上を占めるソウルや南部・済州島の市中免税店は、早くも大きな打撃を受けている。 ロッテ免税店が運営する市中免税店では、今月第4週(20~26日)の中国人客による売り上げが前年同期比40%減少した。新羅免税店の市中免税店も同様に、先週末(25~26日)の中国人客による売り上げが約30%減となった。 ホテル業界の被害も膨らんでいる。ソウル・鍾路の四つ星ホテルでは今月15日以降、中国人客の比率がこれまでの20%から5%に急落した。中国人の宿泊客が75%ほど急減したことを意味する。東大門のあるビジネスホテルでは今月に入り中国人客が以前の半分ほどに落ち込み、明洞のビジネスホテルでも15~25日の中国人客が前年同期に比べ25%減少した。◇韓国人も中国旅行見合わせ 韓国人も中国旅行を控えている。反韓感情を受けた反中感情の高まり、中国での安全懸念などが影響しているようだ。 韓国旅行大手のハナツアーでは、4月に中国を旅行する商品の予約件数が1年前に比べ44%急減した。一方、東南アジア、日本、欧州、南太平洋などに旅行する商品の予約実績はいずれも2桁の伸びとなっている。また、5月初め(5月1~7日出発)の中国旅行商品の予約は36%少ない一方、同時期の海外旅行商品の予約は前年同期に比べ約20%多い。韓国人の海外旅行が増える中で唯一、中国旅行の販売のみが落ち込んでいるということだ。 別の旅行大手のモドゥツアーでも、4月の中国旅行商品の予約件数は昨年の半分水準にとどまり、5月の中国旅行の予約も25%少ない。4~5月の中国旅行を予約した客からのキャンセル要請も相次いでいるという。 実際、韓国教育部によると、年内の中国への修学旅行を計画している学校87校(小学校19校、中学校10校、高校58校)のうち、THAADをめぐり韓中関係が冷え込んだことを受けて44校が行き先を別の国・地域に変更した。
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