引き揚げ作業の様子(海洋水産部提供)=22日、珍島
引き揚げ作業の様子(海洋水産部提供)=22日、珍島
【珍島、世宗聯合ニュース】2014年に韓国南西部の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の引き揚げテストが22日行われ、開始から約5時間30分後に船体が海底から約1メートル引き揚げられた。 海洋水産部セウォル号引き揚げ推進団長の李哲朝(イ・チョルジョ)団長は22日、珍島郡庁舎で会見を開き、「午後3時30分にセウォル号の船体が海底から1メートルほど引き揚げられたことを確認した」と発表した。 同部と引き揚げを担う中国企業の上海サルベージはこの日午前10時ごろ、セウォル号を1~2メートル引き揚げるテストを開始した。 バージ船とセウォル号をワイヤーでつなぎ、油圧ジャッキを段階的に動かしてワイヤーを引く作業を開始。午後0時20分ごろ、ワイヤーの張力テストを終え、同30分からそれぞれのワイヤーにかかる張力を調整する工程と、セウォル号の船体を海底から浮上させる作業を同時に進めた。 李団長は「船上から予測する船体の状態と、海中での実際の状態が異なる可能性もあり、確認に確認を重ねなければならない」とし、「現在、潜水士が実際に引き揚げできたか肉眼で確認している」と説明した。 また「船体が海底から離れたことが確認されれば、今後は船体を水平にする荷重調節作業を進めることになる」とし、「このようなテスト引き揚げの過程を全て終えれば、気象条件などを確認し、引き揚げの本作業を推進するかどうかを確定する計画」と話した。 現在、セウォル号は引き揚げテスト中に船体がわずかに傾いた状態だが、大きな問題はないという。ただ、今後の工程を正常に進行することができなければ、持ち上げた船体を再び下ろす可能性もあると伝えられた。 李団長は引き揚げテストにかかる時間が当初予想した2~3時間を大幅に超えたことについて、「前日引き揚げ現場に波浪注意報が発令された影響で、きょうの明け方まで気象条件が良くなく、事前の準備作業に多少時間がかかった」とした上で、「予想の範囲内だったため、作業環境は変わっていない」と説明した。 また「水深44メートルの場所で、水中の重さが8000トンに達するセウォル号を引き揚げる過程において、海底から離す作業が最も重要な第一段階であるため、慎重に慎重を期した」と強調した。 本格的な引き揚げ作業がいつ始まるかについては「まだ予想できない状況」として慎重な姿勢を示した。作業の進行状況から、早ければ今夜中にも結論が出るものとみられる。 船体を木浦新港に運んだ後の計画については、船体内部に人が入ることができるか安全性を確認した後、近日中に発足する「船体調査委員会」と協議して捜索計画を確定すると説明した。同委員会はセウォル号の調査や船内に残された行方不明者の捜索などの業務を担う。
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