マレーシアの空港で殺害された金正男氏=(聯合ニュースTV)
マレーシアの空港で殺害された金正男氏=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件が金正恩政権の組織的な犯行だった可能性が強まっている中、韓国政府は外交の場で北朝鮮の規範違反と人権侵害を積極的に訴えていく方針だ。 韓国外交部の関係者によると、政府は27日にスイス・ジュネーブで始まる国連人権理事会の会期で、自国民に対する北朝鮮政権の人権侵害を指摘する中で正男氏の殺害事件も取り上げるという。 また、各国との単独会談などの場で北朝鮮との外交関係の縮小、北朝鮮の国連加盟資格の見直しなどを一段と強く訴え、北朝鮮の外交面での孤立化を図る方針とされる。 今月中に米国で予定されている北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の韓米、韓米日首席代表会合でも、北朝鮮に対する多角的な制裁を協議する見通しだ。米国が2008年に解除した北朝鮮の「テロ支援国家」指定を復活させる案も議論される可能性がある。 韓国政府はあわせて、正男氏殺害事件が北朝鮮と、北朝鮮の長年の友好国だった東南アジア諸国間の外交摩擦に飛び火しつつある流れを注視しているとされる。ソウル大統一平和研究院の張容碩(チャン・ヨンソク)責任研究員は、国連加盟資格の剥奪や国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)への付託も方法としてあるが、相対的に韓国が役割を果たせるのは各国の北朝鮮との断交だとし、「東南アジア諸国が断交までいくかどうかは見守る必要があるが、捜査結果により北との関係に慎重になる可能性は十分にある」と指摘した。
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