少女像や教科書、独島など韓日はさまざまなあつれきを抱える(イメージ)=(聯合ニュースTV)
少女像や教科書、独島など韓日はさまざまなあつれきを抱える(イメージ)=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓日関係が、ことあるごとに衝突する悪循環に陥りつつある。 端的な例が、「日本海」と「東海」の併記を訴える韓国政府の動画をめぐる攻防だ。 韓国外交部が20日、政府系の東北アジア歴史財団などと制作した東海のPR動画を同部ホームページに掲載すると、日本政府は翌日、外交ルートで韓国政府に抗議した。菅義偉官房長官は22日の記者会見で韓国に強く抗議したことを明らかにし、韓国政府は同じ日に日本の抗議を一蹴したと発表した。 東海の表記は独島領有権や旧日本軍の慰安婦問題ほど国のプライドがかかった問題とは言い難いが、両国は一歩も譲らない神経戦を繰り広げた。 22日には、島根県主催の「竹島の日」の記念式典に日本政府の内閣府政務官が出席したことに韓国外交部が抗議の声明を出し、さらに在韓日本大使館の鈴木秀生総括公使を呼んで抗議した。1日の間に東海表記と独島の二つで両国がやりあったことになる。 独島を「固有の領土」と明記し、独島領有権教育を義務化する日本の学習指導要領改訂をめぐり、14日にも外交部に呼び出されている鈴木氏は、8日ぶりとなる再度の呼び出しに至極事務的な表情で応じた。異例であるべき呼び出しが日常的になっている状況を象徴的に示す光景だった。 韓日は2015年12月末の慰安婦合意以降、大局的な協力を目指して両国関係の良い流れを保とうとしてきたが、16年12月に慰安婦被害者を象徴する少女像が釜山の日本総領事館前に設置された一件を機に、関係が再び悪化の一途をたどっている。 慰安婦、教科書、独島、靖国神社参拝など長年確執が続いている問題だけでなく、海外駐留の自衛隊から韓国軍が実弾を借りたことをめぐっても神経戦を繰り広げていた過去の状況に、韓日関係が戻ってしまうとの懸念も出ている。 こうした状況について専門家は、安倍晋三政権の右寄りな姿勢と韓国の弾劾政局などが原因の一時的な現象とは見なし難いと指摘する。 むしろ、歴史の被害者・加害者という認識が関係に大きな影響を与えていた時期、冷戦下で安全保障のため経済面で協力してきた時期の「特殊関係」を韓日が脱する過程で起きた現象だと捉える方が本質に近いとの見解が多い。 外交部東北アジア局長などを務めた趙世暎(チョ・セヨン)東西大教授は23日、韓日が特殊関係にあるという論理で懸案を解決していた時期は過ぎたとし、「これからは韓日間で利害関係により問いただすことは問いただし、指摘することは指摘するというパターンが増えると予想されるため、備えるべきだ」と述べた。対日政策において予想される利益と被害を、韓国は冷静に見積もる必要があるとの指摘だ。 趙氏はさらに「外交の青写真を描き、統一と北核問題解決のため日本にどこまで協力でき、どこまでが限界なのかを見極めた上で、対日外交を展開すべきだ」と助言した。
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