操業停止から1年が経過した開城工業団地(資料写真)=(聯合ニュース)
操業停止から1年が経過した開城工業団地(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】昨年の北朝鮮による核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、韓国政府が同年2月に北朝鮮と共同運営していた開城工業団地の操業を停止してから1年が経過した。入居していた韓国企業が置いてきた完成品や原料・資材、機械などは団地に残されたままだ。これについて、開城工業団地の入居企業でつくる非常対策委員会の鄭ギ燮(チョン・ギソプ)委員長はこのほど、聯合ニュースの取材に「北が団地入居企業の原料・資材や設備を持ち出して売ろうとしたことはなかった」と述べた。複数の入居企業から、北朝鮮がこれらを保存しているという話を聞いたという。  同委員会は、団地に入居していた123社が残してきた完成品や原料・資材は総額2400億ウォン(約238億円)相当に上ると推計している。 北朝鮮が開城工業団地の資材や設備に手を付けていないのは、外貨収入源の一つだった同団地に未練があるためだとの見方も出ている。 韓国・IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン首席研究委員は、北朝鮮当局は入居企業が残した完成品や設備をそのまま保存していると説明した上で、「昔ならこれを利用したはずだが、そうしないのは北に未練があるためだろう」と述べた。 北朝鮮当局が入居企業の資材や設備を団地から運び出そうとする組織的な動きはまだないものの、仮に操業が再開されることになっても、これらの大半は使用が困難とみられる。食品や衣類は完成品、原料ともにほとんど廃棄せねばならず、電子製品や家電製品の製造に使われていた精密機械は長期間止めたままだとさびたりして交換の必要が出てくる。 入居企業は操業停止後、団地に残る資産の返還を北朝鮮に要求したが、北朝鮮は凍結・没収を一方的に宣言した。非常対策委員会は、入居企業の完成品や資材の被害のほか、機械設備や建物など投資資産の被害も6000億ウォンに上ると試算している。
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