正男氏の殺害には女2人、男4人が関与したとされる(CGイメージ)=(聯合ニュース)
正男氏の殺害には女2人、男4人が関与したとされる(CGイメージ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件に関して、韓国統一部の当局者は16日、北朝鮮の工作員が海外でテロを起こす際には主に偽造された外国のパスポートを持って動くと明らかにした。 同当局者は、逮捕された容疑者が外国のパスポートを所持していたことについて「(1987年の大韓航空機爆破事件の主犯である)金賢姫(キム・ヒョンヒ)も昔、日本の偽造旅券を持っていた」と述べた。 別の政府当局者も「83年のミャンマー(旧ビルマ)ラングーン爆弾テロ事件で逮捕された北朝鮮のテロ要員も、外国の偽造旅券を所持していた」と話す。 正男氏の殺害事件に第三国が関連しているとみるより、北朝鮮の工作員が外国の偽造旅券を所持していた可能性を示唆するものだ。 正男氏の殺害事件と関連し、マレーシアで最初に逮捕された女はベトナム・ナムディン出身で28歳の「ドアン・ティ・フォン」と記載されたパスポートを持っており、2番目に逮捕された女はインドネシア・セラン出身で25歳の「シティ・アイシャ」と記されたパスポートを持っていた。 北朝鮮の工作員が外国で活動する際、身分を偽るため外国の偽造パスポートを利用することから、今回逮捕された容疑者が北朝鮮の工作員である可能性も取り沙汰されている。 海外でのテロや要人暗殺などの任務は、主に北朝鮮軍対外工作機関・偵察総局の要員が遂行するとされる。 15日に開かれた韓国情報機関・国家情報院と国会情報委員会の懇談会の出席者によると、国家情報院は偵察総局をはじめとする北朝鮮の情報当局が約5年間機会をうかがいながら正男氏の暗殺を綿密に準備してきたとみられると明らかにした。 北朝鮮の偵察総局は2009年2月に人民武力部(現人民武力省)傘下の偵察局、朝鮮労働党傘下の作戦部、35号室の3機関の対韓国・海外工作任務を統合して発足した。 統合前の35号室は大韓航空機爆破事件、96年のチョン・スイル事件(アラブ系教授を装って活動していた北朝鮮の対韓工作員が拘束された事件)を企画し、人民武力部偵察局はラングーン爆弾テロ事件や96年の韓国・東海岸への武装スパイ侵入事件を主導したとされる。 対韓国工作任務を統括する偵察総局は軍総参謀部の傘下機関だが、実際には金正恩氏に直接報告を上げる形で運営されている。
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