中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた2番目に逮捕された女の姿=16日、ソウル(CCTV=聯合ニュース)
中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた2番目に逮捕された女の姿=16日、ソウル(CCTV=聯合ニュース)
【クアラルンプール聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害されてから3日がたち、暗殺団の正体が徐々に明らかになってきた。 まだ容疑者の一部しか逮捕されておらず、正確な事件の全容はまだ分かっていないが、これまでの状況をまとめると、北朝鮮が暗殺の背後にいる可能性が高いとされる。 現地メディアなどによると、マレーシア警察が容疑者として特定しているのは男4人と女2人の計6人。このうち、クアラルンプール国際空港で正男氏の毒殺を実行したとみられる女2人は逮捕されている。 最初に逮捕されたのはベトナム旅券を持つ「ドアン・ティ・フォン」(28)。2人目は「シティ・アイシャ」(25)の名義のインドネシア旅券を所持していた。 また、マレーシア人の男1人も逮捕されている。インドネシア旅券を持っていた女の交際相手とされる。男が警察が追っている容疑者4人のうちの1人かどうかは確認されていない。 警察は北朝鮮と疑われる「ある国」に雇われた容疑者たちが共謀し、暗殺を強行したとみている。 ベトナム旅券を所持していた女は警察の取り調べに対し、男4人のうち、ベトナム国籍者と北朝鮮系がいると供述したという。 これまで逮捕された容疑者のうち、北朝鮮人はいないものの、旅券が偽造されている可能性もある。 北朝鮮は過去、韓国への工作活動を行う工作員の身分を偽ったことがある。1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員は日本人女性、蜂谷真由美になりすましていた。 ベトナム旅券を持っていた女の行動や警察への供述も疑わしい部分がある。共同通信は、女は正男氏の殺害事件後、ホテルで長髪を切り、変装で警察の捜査をかく乱しようとした疑いがあると報じた。警察に対しては、男4人から乗客にいたずらをしようという提案を受けただけとの不可解な供述をした。相手が正男氏だとは知らなかったとも話したという。 金正恩政権が発足して間もない2012年初め、北朝鮮が正男氏の暗殺を試みたことも北朝鮮の工作員が今回の事件を起こした可能性が高いことを裏付ける。正男氏は同年4月、正恩氏に「自分と家族を助けてほしい」などと訴える書簡を送っていたとされる。 韓国の情報機関、国家情報院は正男氏の暗殺について、正恩氏の「スタンディングオーダー」(取り消すまで続く指示)によって偵察総局など北朝鮮の情報当局が実行したものと推定している。
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