韓国の歴史教科書=(聯合ニュースTV提供)
韓国の歴史教科書=(聯合ニュースTV提供)
【ソウル聯合ニュース】韓国で2018年に導入される予定の中高校の国定歴史教科書の内容について、旧日本軍の慰安婦や植民地時代の親日派の行為に関する記述が強化されたことが分かった。 韓国の教育部は31日、記者会見を開いて検定歴史教科書の執筆基準と国定教科書の最終版の内容を発表した。 朴槿恵(パク・クネ)政権は現行の教科書を「左派的」として、歴史教科書の国定化を重要課題の一つとして進めてきたが、市民団体や野党などは強く反発してきた。 教育部は昨年11月に国定歴史教科書の検討用見本を公開し、現場の教師や学者、専門家、一般市民など各界の意見を集めた。国定歴史教科書が日本の植民地支配を美化しているという批判が出たことや、昨年12月に国会で朴大統領の弾劾訴追案が可決され職務停止中であることを受け、同部は国定教科書の導入時期を17年から18年に延期するとともに、中高校が国定教科書1種と複数の検定教科書の中から採択して使用できるようにした。 検定教科書の執筆基準は今年新たにまとめる内容の記述範囲や方向などを示す「ガイドライン」となる。最大の争点だった韓国の建国時期と関連し、教育部は「大韓民国樹立」と「大韓民国政府樹立」の両方を使用できるようにした。 同問題をめぐっては、日本による植民地時代だった1919年に中国・上海に設置された臨時政府を建国時期に認めるよう求める声が出ていた。 「8.15光復(日本による植民地支配からの解放)以降展開された大韓民国の樹立過程を把握する」とした執筆基準は国定教科書の編纂基準と同様だが、「留意事項」に「大韓民国発足に対し、大韓民国樹立、大韓民国政府樹立などで表現する多様な見解があることに留意する」との文言を追加した。 一方、最終版の国定歴史教科書では、日本による植民地時代の親日行為(反民族的行為)を5つの類型に分類して具体的に記述した。 また旧日本軍の慰安婦問題について、韓国の市民団体が慰安婦問題の解決を求め毎週日本大使館前で行っている「水曜集会」が1000回を迎えたことを記念して「平和の少女像」を設置した事実や、旧日本軍により慰安婦が集団虐殺されたとする内容を追加するなど、記述を強化した。
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