観世音菩薩坐像=(聯合ニュース)
観世音菩薩坐像=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国人が長崎県対馬市の寺から盗んで韓国に持ち込んだ仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)について、韓国・大田地裁が元の所有主と推定される韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)に引き渡すよう韓国政府に命じた26日の一審判決を受け、日本政府が同日中に外交ルートで韓国に抗議の意を伝えたようだ。外交筋が27日、伝えた。これに対し、韓国政府は「関連法令に基づいた必要な措置」を取ると言及したとされる。 菅義偉官房長官は26日の記者会見で、判決は「極めて残念だ」とし、「速やかに仏像が日本に返還されるよう韓国政府に適切な対応を求めていきたい」と述べていた。 韓国政府側は判決を不服として即日控訴したが、波紋も予想される。政府側は、仏像が数百年前に盗難により日本に持ち出されたという証拠が不十分で、なおかつ対馬の寺から盗んで持ち込んだものだけに、日本側に返還すべきと主張していた。 一方、浮石寺の住職は判決を受け、「韓国の文化財を保護し、違法に持ち出された文化財を取り戻す主体は国家なのに、日本に返還するなどと主張した政府の態度に失望を感じた」と指摘した。 14世紀初めに作られたとみられる観世音菩薩坐像は、韓国人の窃盗団が2012年、対馬の観音寺から盗んで韓国に持ち込んだ。浮石寺は、仏像は同寺で作られて日本の倭寇(わこう)に略奪されたものだと主張し、引き渡しを求める訴訟を起こした。大田地裁は13年、同寺の求めに基づき、日本への返還を差し止める仮処分を決定した。
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