今和次郎が残したノート(左上)とスケッチ(ソウル市提供)=(聯合ニュース)
今和次郎が残したノート(左上)とスケッチ(ソウル市提供)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル歴史博物館はこのほど、日本の学者が描いた1920年代の朝鮮の民家や生活のスケッチを収めた「今和次郎フィールドノート学術叢書(そうしょ)」を刊行した。 今和次郎(1888~1973)は早稲田大理工学部建築学科の教授を務め、考現学(modernology)を提唱した。考現学とは変動の激しい時代の風俗や世相を調査・記録して資料に残し、分析する学問だ。 今和次郎は1922年、23年、24年、44年の4度にわたって朝鮮を訪問し、民家、建物、工場など建築物の外観・内部のスケッチと写真を残した。 今回出版される叢書には、22年と24年の調査で描かれたスケッチと写真約180点と、これを研究した学者の小論文4編が収められている。 小論文は工学院大の荻原正三名誉教授、韓国・漢陽大で教鞭(きょうべん)を執った冨井正憲氏ら3人、青山学院大の黒石いずみ教授、 韓国国立劇場公演芸術博物館の崔錫榮(チェ・ソクヨン)館長によるものだ。 ソウル歴史博物館は昨年、東京の工学院大の図書館に所蔵されている未公開資料の中からソウル・朝鮮に関する今和次郎のスケッチと写真を発見した。 同博物館の関係者は「叢書では20年代当時の朝鮮の人々の住居や生活の様子をかいま見ることができる」とし、「今後も知られざるソウルの痕跡を探していきたい」と述べた。
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