岸田文雄外相=(聯合ニュース)
岸田文雄外相=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】落ち着くかに見えた旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像をめぐる韓日のあつれきが独島にも拡散する兆しを見せている。日本の岸田文雄外相は17日、韓国・京畿道議会の議員団が旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像を独島に設置する計画を明らかにしたことについて「竹島はわが国固有の領土」と述べ、「この立場に照らしても受け入れられない」と主張した。   これに対し、韓国外交部は日本に一時帰国中の長嶺安政・駐韓大使の代わりに日本大使館の総括公使を呼んで強い抗議の意を伝え、「明白なわが固有の領土である独島に対する無駄な主張を直ちにやめるよう求める」と述べた。 先月末に韓国の市民団体が釜山の日本総領事館前に少女像を設置して以降、一連の韓日間のあつれきは先週後半から落ち着く気配を見せていた。 釜山の少女像設置に対して、安倍晋三政権は駐韓大使の一時帰国や韓日通貨スワップ協議中断など強硬な対応を取り、韓日関係は急速に冷え込んだ。だが、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が13日の国会で「国際社会では外交公館前に施設物や造形物を設置することは国際関係の側面から望ましくないというのが一般的な立場」と発言したことをきっかけに小康状態に入ったとみられていた。 日本側に「逃げ道」を作ったとされる尹長官の発言以降、日本の一部メディアでは長嶺駐韓大使を今週中にも帰任させる可能性があると伝えられた。 しかし、独島問題によって韓日関係に亀裂が入ったことで、少女像問題に端を発した韓日のあつれきが再燃する兆しを見せている。 周辺の状況もきな臭い。韓国内では潘基文(バン・ギムン)前国連事務総長を含め、与野党の次期大統領選有力候補の大部分は韓日慰安婦合意の問題点を指摘したり、破棄を主張したりしている。日本でも世論調査の結果、安倍首相の少女像設置への強硬な対応は高い評価を受けていることが分かった。 韓日両国の政府がそれぞれ国内の世論を意識した場合、韓日関係が「チキンゲーム」の様相を呈するのではないかと憂慮する向きもある。島根県が主催する「竹島の日」の式典が開かれる来月22日までに突破口を見いだせなければ、韓日間のあつれきは相当期間続く見通しだ。 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を事実上予告している中、今月20日に米国のトランプ次期政権が発足することを考慮すると、韓日間のあつれきは韓国の外交・安全保障に否定的な要因となると多くの専門家が指摘している。 駐韓日本大使の早期帰任の可否が事態の展開を握る鍵になるとみられる。安倍首相が17日に東南アジアなどの歴訪から戻れば、帰任の可否や時期について判断すると伝えられている。
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