李在鎔サムスン電子副会長。裁判所は18日に李氏を立ち会わせ逮捕状を発付するかどうかの審査を行う(資料写真)=(聯合ニュース)
李在鎔サムスン電子副会長。裁判所は18日に李氏を立ち会わせ逮捕状を発付するかどうかの審査を行う(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国・サムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の逮捕状請求に対し、サムスンと財界は李氏の身柄を拘束しない状態で裁判を受けさせるべきだと繰り返し主張している。政府から独立して朴槿恵(パク・クネ)大統領が絡む疑惑と親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を調べている特別検察官の捜査チームが16日、贈賄や国会での証言・鑑定に関する法律違反(偽証)容疑などで李氏の逮捕状を裁判所に請求したが、サムスンと財界は証拠となるような資料はすでにサムスンから押収済みで、李氏には出国禁止措置が取られており海外に逃亡する恐れもないとする。 李氏は昨年11月13日、崔被告の国政介入疑惑を捜査していた検察の特別捜査本部に呼び出され、12月6日には同事件の真相解明に取り組む国会の国政調査特別委員会の聴聞会に証人として出席した。今月12日から13日かけては特別検察官の捜査チームから22時間に及ぶ取り調べを受けた。検察が昨年11月にサムスンの家宅捜索で押収した資料も特別検察官チームに渡っている。 韓国の憲法と刑事訴訟法は、基本的に逃走や証拠隠滅の恐れが無ければ、国民の基本権を保障する意味で容疑者の身柄を拘束しない状態で捜査すべきと定めている。特別検察官チームが望むような供述をしなかったという理由で李氏を逮捕し同氏の防御権を制約することは前時代的な発想、というのがサムスンと財界の主張だ。 李氏は特別検察官チームの調べに対し、サムスンの崔被告側への支援はすべて青瓦台(大統領府)の強要によるもので、グループ傘下のサムスン物産と第一毛織の合併とも無関係とする趣旨を供述したとされる。 しかし特別検察官チームは、崔被告側に渡った資金はサムスン物産の大株主の国民年金公団が両社の合併を支持するよう朴大統領が便宜を図ったことへの見返りで、これらは李氏の承認の下で行われたとみている。朴大統領と崔被告には共通の経済的な利害関係があり、崔被告側への支援は贈賄と見なすべきだとする。 これに対しサムスンは、「特別検察官チームの主張は受け入れがたい」との反応を示す。李氏の身柄を拘束するために無理やり容疑をつぎはぎしたとの見解だ。 財界関係者は「サムスンがほかの企業と共に拠出した(崔被告が実質的に支配したとされる)ミル財団とKスポーツ財団への資金まで贈賄とするのは過剰捜査だ」と指摘。李氏の逮捕状発布に関し裁判所の冷静な判断を求めた。 ソウル中央地裁は18日午前に李氏を立ち会わせ、逮捕状を発付するかどうかの審査を行う。
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