CJが製作配給した「国際市場で逢いましょう」は韓国で観客1400万人を超えるヒット作となった=(聯合ニュース)
CJが製作配給した「国際市場で逢いましょう」は韓国で観客1400万人を超えるヒット作となった=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の中堅財閥、CJグループの傘下企業が製作配給してきた愛国心をかきたてる映画は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の不興を買った同グループが朴大統領の機嫌を取ろうと、意向に沿う作品作りに努めたものだったことが分かった。朴大統領が絡む疑惑と親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を調べている特別検察官の捜査チームは16日までに、朴政権がCJに圧力をかけていたことをつかんだ。 CJは朴政権の発足当初から疎まれていたといううわさがあった。業界関係者によると、CJグループでコンテンツ事業を手掛ける企業がケーブルテレビのコメディー番組で朴大統領を面白おかしく表現したことや、2012年の大統領選で朴大統領と事実上の一騎打ちとなった野党候補の文在寅(ムン・ジェイン)氏が絶賛した映画がCJの配給だったことなどが、その理由とされる。 すでに検察の調べで、青瓦台(大統領府)経済首席秘書官だった趙源東(チョ・ウォンドン)被告が2013年7月にCJグループの孫京植(ソン・ギョンシク)会長に電話をし、「大統領の意向」として李美敬(イ・ミギョン)CJグループ副会長の退任を迫ったことが明らかになっている。李氏は当時、横領などの容疑で逮捕された弟の李在賢(イ・ジェヒョン)氏に代わり、母方の叔父である孫京植グループ会長を補佐していた。李美敬氏は結局、グループ経営から手を引き、14年9月以降は米国に滞在している。 検察の調べによると、朴大統領は14年11月に孫氏を呼び出し、CJの映画や放送が左寄りに見えると不満をぶつけた。孫氏は何度も謝りながら、「方向転換する」「国益を重視する映画も製作する」と述べた。 この時期を前後し、CJは「創造経済を応援します」という広告を大々的に打ち出した。創造経済は朴政権が掲げる経済政策だ。また、CJが運営する映画館では映画上映前に公共広告を流すようになった。 CJは巨額を投資し、「国際市場で逢いましょう」(14年)や「仁川上陸作戦」(原題、16年)のような愛国心に訴える作品も製作配給した。 15年2月には韓流文化複合団地事業への投資計画を本格化させた。 CJのこうした姿勢に朴大統領も態度を軟化させた。「国際市場で逢いましょう」は朝鮮戦争後の激動の時代に家族のために献身する父親の人生を描いた作品だが、15年1月末に観賞し、涙を見せたとされる。 翌月にはCJ関連施設で開かれた文化創造融合ベルトの発足式に出席した。文化創造融合ベルトは朴政権が文化隆盛の中核に据える事業で、文化コンテンツ分野の企業や機関を中心に進められる。 朴大統領は16年8月、朝鮮戦争時の国連軍による仁川上陸作戦を題材にした「仁川上陸作戦」も観賞した。 CJグループ会長の孫氏は、おいの逮捕に続き、めいが経営の第一線を退かされるという事態を目の当たりにし、朴政権の意向に沿う文化コンテンツの生産を指示するほかなかったとみられる。 法曹界の関係者は「朴大統領が映画製作と放送を主力事業とするCJを『手なずけた』ことは、憲法が保障する言論・出版の自由、学問・芸術の自由に背くものともいえる」と指摘する。
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