辛格浩氏=(聯合ニュース)
辛格浩氏=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】ロッテグループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏(94)への後見人指定を不服とする長男の辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)前ロッテホールディングス(HD、本社・東京)副会長の控訴を韓国の家庭裁判所が棄却していたことが13日、法曹界関係者の話などで分かった。  ソウルの家裁はこのほど、辛格浩氏の成年後見開始の決定に対する控訴を棄却したことを原告の辛格浩、辛東主両氏と成年後見人の申請者である辛格浩氏の妹、辛ジョンスク氏、辛格浩氏の次男、辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)韓国ロッテグループ会長に通告した。 これにより、辛格浩氏が精神健康上の問題があることがあらためて確認され、家裁の判決とは別に「任意後見」契約を通じて辛格浩氏の法的代理人を務めようとした辛東主氏の計画は危機に瀕することになった。 家裁側は控訴棄却の決定文で、辛格浩氏の精神健康に異常があると判断した一審での根拠をそのまま引用し、控訴審で辛東主氏が証拠として提出した辛格浩氏のインタビュー動画に言及した。 辛東主氏側は、再三の説得にもかかわらず辛格浩氏が成年後見人に関する裁判への出席を拒否した点を強調する狙いだったが、家裁側は動画の中で辛格浩氏に対して成年後見人を申請したのは誰かなどを説明し、辛格浩氏本人の意思を確認するのに10分以上かかった点を「精神健康上の異常」の根拠とした。 辛東主氏が進める「任意後見」についても家裁側は否定的な見解を示した。 韓国の民法では、病気・障害・老齢などにより判断能力などが十分でない人に対し、当事者が任意後見人を指定して財産管理、身元保護に関する事務を任せることができると定めている。 裁判所が指定する法定後見人とは違い、任意後見人は当事者が望む人物を指定することができる。 辛東主氏は昨年11月、辛格浩氏の任意後見人に自身を指定する公正証書を作成し、12月29日にこの後見関係を監督する「任意後見監督人」を選任するよう求める要請書を裁判所に提出した。 しかし裁判所側はこれに対し、「昨年12月19日に『2017年1月3日まで事件本人(辛格浩氏)が直接出席しない場合は審理を終える』と通告した際、(辛東主氏側が)1週間後の12月26日に任意後見契約を登記した」とし、「法定後見人選任を妨害し、審理の手続きを遅延させる手段として乱用、悪用される余地がある」と指摘した。 また、任意後見の認定申請に関し「事件本人の代理人(辛東主氏側)が事件本人(辛格浩氏)に精神的問題がないと一貫して主張することと矛盾する」との意見を示した。 今回の控訴棄却に対して辛東主氏側が異議を申し立てない場合、辛格浩氏の後見は昨年8月末の家裁の決定通り、社団法人「ソン」が担当することになる。
Copyright 2017(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0