韓国の防空識別圏内に進入した中国軍用機のイメージ=(聯合ニュースTV提供)
韓国の防空識別圏内に進入した中国軍用機のイメージ=(聯合ニュースTV提供)
【ソウル聯合ニュース】中国の軍用機約10機が9日に韓国南部・済州島の南にある岩礁、離於島付近の韓国防空識別圏に入り、韓国空軍の戦闘機約10機が緊急発進(スクランブル)していたことが分かった。防空識別圏をめぐり韓中日間で緊張感が高まっている。防空識別圏は自国の領空に接近する軍用機を早期に識別するため設定する空域だ。領空とは異なり、国際法でも管轄権を認められていないため、他国に強要することはできない。 そのため、韓国と中国、日本がそれぞれ設定する防空識別圏は、離於島をはじめとする一部エリアで重なっている。 韓国軍関係者は10日、「中国の軍用機が前日侵犯(進入)したのも3カ国の防空識別圏が重なるエリアだった」と説明した。ここを通過するときは事前に相手国に通知するが、前日はそれが無かったという。 中国の軍用機は韓国軍から無線で警告されると韓国防空識別圏を抜けたが、戻ってきて韓国の警告で再び出るという動きを見せたとされる。 万一、中国側が韓国と中国の防空識別圏が重なるエリアに入り、自国の防空識別圏だとして韓国の警告に応じなければ、衝突が発生する恐れもある。 韓国の防空識別圏は朝鮮戦争中の1951年に設定された。米空軍は当時の中国共産党軍と北朝鮮軍の航空作戦能力を踏まえ、済州島南の馬羅島までとし、離於島は含めていなかった。 日本は1969年に防空識別圏を設定する際、離於島周辺までを入れた。 中国は2013年11月23日に離於島を含む防空識別圏を一方的に宣言した。これに対し韓国は直ちに防空識別圏の再設定作業に着手し、翌月8日に離於島南236キロまでを新たな防空識別圏として発表した。 3カ国は互いに重なる防空識別圏で発生しかねない偶発的な衝突を防ぐため、協議を進めてきた。 韓国は日本と14年に、重なるエリアに進入する際の飛行情報の交換方法と未確認の航空機に対する措置などの手順に合意した。中国とも国防部や海軍、空軍間の直通電話(ホットライン)設置などに取り組んできたが、不十分との指摘もある。
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