【ソウル聯合ニュース】韓国で「不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」(発案した政府組織・国民権益委員会の元委員長の名前を取って「金英蘭(キム・ヨンラン)法」とも呼ばれる)が施行されてから5日で100日を迎える。出身校や地縁などを利用した不正請託や不適切な接待文化をなくし、クリーンな社会づくりを目指すためにつくられた。初期には副作用や混乱への懸念が大きかったが、時間が経つにつれ各所で肯定的な流れが現れている。国民権益委によると、保護者が教師に提供する金品や製薬会社が大型病院の医師に与えるリベートがほぼなくなったそうだ。韓国行政研究院が韓国リサーチと現代リサーチに依頼し、成人男女3562人を対象に実施した世論調査では回答者の85.0%が請託禁止法のプラス効果が副作用より大きいとした。 国民権益委の有権解釈の例が蓄積し、特定分野の活動を過度に萎縮させる例も大きく減った。適用対象に保育園の代表は含まれるが、教師は該当しないとの判断もその一つだった。公演やスポーツ試合を取材する目的の「プレスチケット」は5万ウォン(約4900円)以上でも規制対象ではないと結論付けた。大学教授が民間企業に学生を推薦する行為も認められた。一方、接待が減り、会社員の自己啓発の時間が増え、割り勘の文化が拡大した。接待ゴルフはほぼ姿を消したという。 ただ、副作用がまったくないとはいえない。お祝いの花や慶弔用の花輪の需要が急減し、花卉農家が厳しい状況に直面し、高級飲食店も大きな打撃を受けた。法の施行により、ただでさえ冷え込んでいた内需がさらに萎縮したとの指摘が出ている。適用範囲をめぐる混乱も続いている。例えば、「先生の日」に教師にカーネーションを渡せるかどうかもまだあいまいだ。国民権益委は当初、原則的には不可能としたが、「過剰解釈だ」との批判が出たことを受け、生徒の代表がカーネーションを渡すことは認められると後退した。この問題に関する関係機関の調整はまだ終わっていない。 請託禁止法は長期間の議論の末、憲法裁判所の審判まで経て導入された制度だ。多少困難な部分があるとしても、芽が出始めた請託禁止法がクリーンな社会という花を咲かせるよう、皆が努力しなければならない。あいまいな規定については、常識や社会通念に基づく有権解釈により、混乱を最小限に抑える必要がある。花卉農家や飲食店など総体的に大きな打撃を受けた業種に対しては、政策的な配慮を検討することが望ましい。ようやくできたクリーンな社会に飛躍できるチャンスを放棄してはならない。国際非政府組織(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル」(TI)がまとめた昨年の腐敗認識指数で、韓国は100点中56点を受けた。経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中27位だった。韓国より低い国はハンガリーやトルコ、メキシコなど6カ国しかない。この機会に政経癒着や政府高官の不正などの「巨悪」を一層厳しく処罰するよう求める声が高まっている。請託禁止法違反で初めて摘発された人は警察捜査官に便宜を図ってもらったお礼として4万5000ウォン相当の餅を送り、9万ウォンの過料処分を受けた。「巨悪」を放置すると、請託禁止法の推進力も急激に落ちる懸念がある。
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