崔被告の娘に旅券返納命じる　１週間後に無効＝韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が朴槿恵（パク・クネ）大統領の親友、崔順実（チェ・スンシル）被告の国政介入事件に絡み、デンマークで不法滞在の疑いで拘束された崔被告の娘のチョン・ユラ容疑者に対し旅券返納命令を直接伝えたことが３日、外交筋の話で分かった。　崔在哲（チェ・ジェチョル）駐デンマーク大使と担当領事がチョン容疑者と面会し、旅券返納命令書を渡したという。チョン容疑者の旅券は返納命令から１週間後の１０日ごろに無効になるとみられる。　自主的な帰国を拒否しているとされるチョン容疑者に対し、旅券の無効化は心理的な圧力を強めることになる。　行政や検察当局から独立した形で朴大統領が絡む疑惑を調べている特別検察官の捜査チームは先月、チョン容疑者が韓国の名門女子大、梨花女子大に不正入学したなどとして業務妨害の容疑で逮捕状を取り、外交部にチョン容疑者の旅券の無効化を要請した。外交部はチョン容疑者の韓国の住所地に旅券返納命令書を送ったが、チョン容疑者はドイツなどに滞在しており受け取っていなかった。　チョン容疑者は１日午後１０時（現地時間）ごろ、デンマーク北部オールボーの住宅で現地の警察に身柄を拘束された。チョン容疑者の息子と推定される２０１５年生まれの子供と、子供の世話をしていたとみられる６０代の韓国人女性、２０代の韓国人男性２人も一緒に拘束された。　特別検察官チームは前日に法務部と警察庁、外交部を通じデンマーク側にチョン容疑者に対する「緊急引き渡し拘束」を要請した。オールボーの地裁はチョン容疑者の拘束期間を３０日まで４週間延長することを決めた。チョン容疑者は裁判所の決定に不服申し立てを行う意向をほのめかしている。また、韓国政府が最終的な引き渡し要求をしても、現地の警察はあらためて法的な検討をした上で引き渡しに応じるかどうかを決定するという立場だとされ、チョン容疑者が韓国に送還されるまで時間がかかる可能性もある。