昨年12月に共同会見で交渉妥決を発表する韓日外相=(聯合ニュース)
昨年12月に共同会見で交渉妥決を発表する韓日外相=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題をめぐり、韓国と日本が合意してから28日で1年となるが、合意に対する否定的な世論などを踏まえ、韓国政府はこの日を静かに迎える方針だ。 対日交渉を担当した韓国外交部の当局者は27日、合意1年を記念する式典などは計画していないと伝えた。ただ、毎週火曜日と木曜日に報道官が行う定例会見で合意1年を迎えたことについて立場表明する方向で検討しているという。 また、韓国女性家族部の姜ウン姫(カン・ウンヒ)長官は23日、聯合ニュースのインタビューに対し、合意前まで推進してきた慰安婦白書の発刊の代わりに、研究報告書をまとめる方針を明らかにした。 両国の外交史に刻まれる歴史的な合意をしてから1年になるにもかかわらず静かに対応するのは、合意への非難世論が依然として強いことを受けた措置とみられる。 合意に基づき、日本政府が被害者支援財団「和解・癒やし財団」に拠出した10億円から支給する慰労金を受け取る意向を示した被害者は合意当時の生存者46人中、約74%の34人に達した。だが、慰安婦被害者が共同生活を送る「ナヌムの家」などの団体の支援を受けている被害者たちは受け取りを拒否しており、世論もなかなか好転しない。 その上、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案が国会で可決され、朴政権の政策の検証論が浮上。世論調査の政党支持率で1位に浮上した最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表と秋美愛(チュ・ミエ)代表は慰安婦合意に対し否定的な見解を表明している。 韓国政府関係者は「政府が合意1周年記念行事を行うのは、最近の雰囲気ではどうかなと思う」と述べた。 韓国政府が合意の意味をより積極的に説明し、説得する努力が必要との指摘もある。外交部東北アジア局長などを務めた趙世暎(チョ・セヨン)東西大教授は本質的な問題は「コミュニケーション不足」にあるとして、「韓日関係などを勘案し、大きな枠組みで合意が役に立つと判断していたら、国民と被害者をさらに説得しなければならなかった」との考えを示した。
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0