開所式を行う朴特別検察官(中央)=21日、ソウル(聯合ニュース)
開所式を行う朴特別検察官(中央)=21日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件の捜査を行う特別検察官チームが21日午前、ソウル市江南区に設置された事務所の開所式を行い、本格的な捜査を開始した。 開所式には朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官らが出席し、公正な捜査への意志を示した。 特別検察官チームは最短で70日、黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行の承認を得た場合は最長100日間、朴大統領と「陰の実力者」と呼ばれた崔被告をめぐる一連の疑惑を捜査する。 主な捜査対象は▼大企業に対し、崔被告が実質的に支配した文化支援財団「ミル財団」とスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」への資金拠出を強要した疑惑や朴大統領の収賄容疑▼崔被告や側近らの国政介入疑惑▼金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長と禹柄宇(ウ・ビョンウ)元青瓦台(大統領府)民政首席秘書官の職権乱用や職務怠慢容疑▼2014年の旅客船「セウォル号」沈没事故当時の朴大統領の「空白の7時間」の解明や注射剤の代理処方疑惑――などだ。このうち、朴大統領の収賄容疑が最大の争点になりそうだ。 朴特別検察官は任命状を受け取った今月1日から20日間の準備期間中、疑惑の主な関係者を事前調査するなど、非公式に捜査を行ってきた。 事前調査の対象には大韓乗馬協会の会長を務めるサムスン電子の朴商鎮(パク・サンジン)対外担当社長やサムスングループの張忠基(チャン・チュンギ)未来戦略室次長(社長級)らが含まれている。 サムスンは崔被告と馬術選手である娘のチョン・ユラ氏に馬の購入費用などの名目で220億ウォン(約21億円)を支援した疑惑がある。また、サムスンは二つの財団に企業の中で最も多い計204億ウォンを拠出した。特別検察官チームがサムスンの幹部を相次いで調査したのは、こうした正常ではない支援と関連した朴大統領の収賄容疑を最初の捜査対象に決めたためとの見方が出ている。 崔被告の国政介入を黙認、または手助けしたとの疑惑が持たれている金元秘書室長と禹元秘書官の不正が判明するかどうかも関心事だ。 特別検察官チームは権力層の中心にいた2人が崔被告の国政介入疑惑を解明できる鍵を握っていると判断し、捜査力を集中させる方針だ。2人は職権乱用などの容疑で立件され、出国禁止処分を受けている。 セウォル号事件当時の朴大統領の動静についても真相究明を求める声が高まっている。 これまでタブー視されていた青瓦台内部の強制捜索、現役大統領としては初めて容疑者となった朴大統領の対面聴取などが実施されるかどうかも注目を集める。
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