朴大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
朴大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が9日、自身に対する弾劾訴追案の採決の日を迎えた。親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を受けて国会に提出された弾劾訴追案が、同日午後の国会本会議で採決される。朴大統領は採決の様子を見守りながら、その結果に応じ今後の対応の方向性を定めるとみられる。 弾劾訴追案が可決されれば大統領の職務が停止され、憲法裁判所の判断にかすかな望みをたくすしかない絶体絶命の危機となる。それでも淡々と状況を見守る雰囲気で、採決前に公にメッセージを発表することはしない方針だ。 一部の参謀からは新たに国民向け談話あるいは記者会見を通じ「秩序ある退陣」へ真剣な姿勢を示すべきだという意見、また朴大統領に近い勢力からは来年4月退陣の意思を本人の口から直接伝えてほしいという要請もあったが、朴大統領は6日に与党セヌリ党の代表と院内代表に会った後は沈黙を続けている。 代わりに主要参謀を随時呼び政局への対処を話し合うなど、日ごろと変わりなく内部で業務を行っていると、青瓦台(大統領府)関係者は伝える。 ある関係者は「朴大統領は、淡々と採決状況を見守り、落ち着いて対処し国が混乱しないよう働いてほしいと求めた」と述べた。別の関係者は「(朴大統領は)意外に落ち着いており、冷静な表情で国政の指揮を執っている」とする一方で、「気持ちは重いのではないだろうか。前よりやつれた様子でもある」と伝えた。 野党と無所属の国会議員172人は早くから弾劾を公言しており、セヌリ党の中でも非主流派を中心に相当数の議員が賛同の意思を示している。青瓦台は、弾劾訴追案の可決に必要な200人を満たす可能性が高いとみている。 朴大統領は弁護人団や法律分野の参謀と共に、憲法裁判所の審理と、特別検察官の捜査に伴う法廷での戦いに備えることになりそうだ。 弾劾訴追案が否決される場合には、来年4月の退陣と大統領選の6月前倒しを柱とする「秩序ある退陣」の道筋をめぐり政界に協力を要請すると観測される。任期を最後まで務めることも可能だが、世論を踏まえるとその可能性は高くない。 どのような結果が出るにしろ、野党と国民の即刻退陣の圧力にさらされることになるが、朴大統領は法に背くことはできないとの立場を固持しており、辞任という選択はないとみられる。 青瓦台は採決の結果が出た後、立場を表明することを検討している。
Copyright 2016(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0