【ニューヨーク聯合ニュース】国連安全保障理事会が30日、米ニューヨークで全15理事国による会議を開き、北朝鮮が9月に行った5回目の核実験を受けた新たな制裁決議を全会一致で採択した。核・ミサイル開発のための資金源を断つため、北朝鮮の主要外貨獲得手段である石炭など鉱物輸出の収入を年間8億ドル(約907億円)程度減らすことが柱。 制裁決議は北朝鮮の5回目の核実験について、「安保理決議に反するとともに、明らかに無視したもので、これを最も強い言葉で非難する」とした。 今回の制裁は、北朝鮮の4回目核実験などを受け今年3月2日に採択された強力な制裁決議(2270号)の抜け道をふさぎ、実質的に北朝鮮経済に打撃を与えることを狙った。 北朝鮮の鉱物輸出制限のほか、海外への労働者派遣制限、金融制裁の強化、北朝鮮船舶への制裁と貨物検査の強化、北朝鮮の対外関係への圧力強化を盛り込んでいる。 まず、2270号で「民生目的」の石炭輸出が例外として認められた点を悪用し、北朝鮮が輸出を続けているとみて、来年から北朝鮮の石炭輸出について年4億90万ドル、または750万トンのどちらか低い方を上限とすることにした。2015年に比べ62%減少することになり、北朝鮮の石炭輸出収入は年7億ドルほど減る見通しだ。 銀、銅、ニッケル、亜鉛も輸出禁止品目に追加し、さらに年1億ドルの収入を遮断。計8億ドル程度の収入削減を見込む。 あわせて、北朝鮮の外貨獲得手段である銅像など大型造形物の輸出を禁止し、国連加盟国も北朝鮮にヘリコプターや船舶を販売してはならないとした。 また、北朝鮮が外貨を稼ぐために海外に労働者を派遣していることを指摘し、加盟国に注意を促した。加盟国の船舶、航空機に北朝鮮の乗務員を雇用することも禁止した。 金融制裁の強化に向けては、加盟国は原則として北朝鮮との貿易のために公的・私的な金融支援をしてはならないとした。加盟国内にある北朝鮮公館の職員数を減らすよう求めるとともに、北朝鮮の在外公館員の口座を1人1口座に制限した。 このほか、北朝鮮の駐エジプト大使ら個人11人、「統一発展銀行」など10団体を資産凍結と渡航禁止の対象に加えた。制裁を受ける北朝鮮の個人は39人、団体は42に増えた。 決議はさらに、北朝鮮が国民の生活を顧みず核・ミサイル開発に熱を上げていることを非難し、「住民の福利と固有の尊厳性を尊重、保障すること」を強調するなど人権問題に言及した。 北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議については、あらためて支持を表明。安保理常任理事国で北朝鮮の友好国の中国に配慮したとみられる。 朝鮮半島および北東アジアの問題についても、対話を通じた平和的、包括的な解決努力を歓迎するという従来の文言が盛り込まれた。
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