朴大統領(右)と金淇春元大統領秘書室長=(聯合ニュース)
朴大統領(右)と金淇春元大統領秘書室長=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告をめぐる疑惑の捜査で、朴大統領の存在を裏付ける新たな証言が飛び出し、青瓦台(大統領府)では戸惑いが広がっている。青瓦台は一連の疑惑に対しまだ具体的に釈明しておらず、29日までに対面聴取に応じるよう要求する検察にも回答していない。朴大統領の弁護士を通じた釈明や、朴大統領による談話や記者会見があるか、注目される。 検察は27日、崔被告とともに広告会社への発注で不当に影響力を行使したなどして、崔被告の側近で広告制作監督のチャ・ウンテク氏を職権乱用権利行使妨害、強要などの罪で起訴した。 チャ被告の弁護士は同日に報道陣を前に、チャ氏が2014年6~7月ごろに青瓦台で、当時大統領秘書室長だった金淇春(キム・ギチュン)氏、前文化体育観光部次官の金鍾(キム・ジョン)容疑者らと会った事実があると主張した。崔被告の紹介だったという。 これに関し金淇春氏は、「朴大統領からチャ・ウンテクという人に一度会ってみるよう言われ、青瓦台に呼んで会った」と発言した。金氏はこれまで崔被告と面識がないと繰り返し主張しており、崔被告の紹介だったとするチャ氏の弁護士の主張に反論するため、「大統領の指示」を釈明に用いたとみられる。 大統領の指示だったとすれば、朴大統領が青瓦台の主要参謀に崔被告の意向を伝え、崔被告の国政介入を手助けしたという疑惑を膨らませることになる。チャ被告が金氏らと会った直後の14年8月に文化隆盛委員に任命されたことも、朴大統領が崔被告の言葉に従い政府人事に介入させたという見方が成り立つ。 青瓦台の関係者は28日、聯合ニュースの取材に、金氏が朴大統領の指示でチャ被告と会ったかについて、自分が分かることではないと言葉を濁した。 検察は27日に起訴状で、チャ被告が崔被告らと共謀し、大企業から広告を取るためにポスコ系の広告会社を支配下に置こうとし、自身の関係者を通信大手KTの役員に据えようとしたと指摘。これに関する朴大統領の関与も記載した。朴大統領が前青瓦台政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告に、このポスコ系広告会社が大企業に渡らないようにし、またKTに知人らを採用させるためKT会長に連絡するよう指示したという。 青瓦台では朴大統領とチャ被告との関係、崔被告の役割などについて、あくまで文化の活性化・発展を目的に国政レベルで行われたことではないかという見方がある。朴大統領の弁護士から28日中に立場表明があるのでないかという声も聞かれる。 また、野党が朴大統領の弾劾訴追案の採決に動く中、朴大統領が国民向け談話や記者会見などを通じ具体的に釈明し、あらためて国民に謝罪の意を伝えることもあり得るとされる。
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